学生時代に最も打ち込んだこと~人柄を伝えられるエピソードを~

エントリーシート

学生時代に最も打ち込んだこと

昨日は、エントリーシートの形式について、お話をしました。詳細はこちらをご覧ください。

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エントリーシート、オーソドックスなものでいえば、よくある質問項目として、「自己PR」、「志望動機」、「学生時代に最も打ち込んだこと」などがあります。自己PRや志望動機はこれまで触れてきたので、今回は「学生時代に最も打ち込んだこと」について、見ていきます。

打ち込んだことの考え方・述べ方

私がこの打ち込んだこと絡みでこれまで受けてきた質問の中で多いのは、「打ち込んだこと」をなぜ問われるのか、どのように答えればよいか、打ち込んだことが特にないけどどうしたらよいか、大きな成果もないけどどうしたらよいか、といったものです。これらについて見ていきましょう。

なぜ面接が行われるのか。

打ち込んだことについてを考えていく上で、改めて面接官の意図(なぜ面接が行われるのか。)について見ていきましょう。

企業が面接を行うその意図は、大きく以下の2点を確かめるためにあります。

目の前にいる就活生と一緒に働きたいと思うか

本当にその企業の志望度が高いのか(入社してほしいか)

端的に言えば①は社風に合うかどうか、②は長期継続勤務の意志があるかどうかです。

①が人柄を確認するためのもので「自己分析系」の質問で確かめることになります。一方、②が志望度の高さを確認するためのもので「志望動機系」の質問で確かめることになります。

企業は、この2点の視点を持って、あなたを面接します。では、「学生時代に最も打ち込んだこと」という今回の問いは、①と②のどちらを確認するためのものでしょうか?

①ですね。学生時代に最も打ち込んだことは、過去にあなたが何をしてきたのかを問うためのもので、人柄についての質問です。さらに、「どんなことに打ち込んだのか」を聞くことでその人の仕事に使える特性も見えてきます

ここでいう特性とは、「体を動かすことが得意」とか「長時間集中することが得意」などを指します。「何に打ち込んだのか」を知れば、そこから特性を割り出すことができ、企業の中での今後のあなたの可能性も知ることができます。

人柄は何をもって判断するのか。

では、この問いからどのように「人柄」を判断するのか。

企業が見ているのは「打ち込んだことは何か」という事柄ではありません。「なぜそれに打ち込んだのか(行ったのか)」、「どんな想いで行ったのか」、「打ち込んだ結果、どんな成果を生んだのか」など、
企業が知りたいのは打ち込んだことに対する理由や想い、成果です
これらを就活生のあなたから感じることで、人柄を判断します。

打ち込んだことの述べ方

以上を踏まえて、学生時代に最も打ち込んだことの効果的な述べ方について見ていきます。
以前の記事で述べたように、述べる順番は「結論→根拠→締め括り」です。詳細はこちらをご覧ください。

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この流れに従って、回答を組み立てていきましょう。

結論=「打ち込んだこと」

根拠=「なぜ行ったのか」「どのように行ったのか」

締め括り=「経験から学んだこと」

① 結論=「打ち込んだこと」

例えば、「打ち込んだことは、イタリアンレストランでのアルバイトです。」という出だしでスタートしましょう。「力を入れた経験は、イタリアンレストランでのアルバイトで、売上を前月比80%増にしたことです。」のように具体的な成果を用いて述べるのもよいです。

② 根拠=「なぜ行ったのか」「どのように行ったのか」

結論に対する根拠として、具体的にエピソードを語りましょう。
意識してほしいのは、

「5W2H」を用いて語る。

PDCAを回す。

「どんな想いで行ったのか」感情+事柄で述べる。

です。
これらを意識することで、人柄を伝えやすくなります。

「どのような目標を立て、それをクリアするためにどのような工夫をしたのか、どのような想いだったのか、それを行おうと思った理由は何か」を述べるようにしましょう。

具体性の持たせ方、PDCA、感情+事柄の詳細についてはこちらもご覧ください。

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③ 締め括り=「経験から学んだこと」

最後には、「経験から得たこと・学んだこと」を述べましょう。そして、「学んだことをどのように仕事に活かしたいか」ということものべることで、今後の将来性のアピールにもなります。上述と重複しますが、詳細はこちらをご覧ください。

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いかがでしょうか?
打ち込んだこと、力を入れたことは、事柄・内容に目が行きがちですが、企業に人柄を知ってもらうということが目的です。小さな成果でもそれをどれだけあなたが大切にしているかということが大事ではないでしょうか?
就職活動を成功させる=就活で目立つ経験をするというのは間違った認識だと私は考えます。

就職活動のための経験ではなく、将来の在りたい自分を探るための経験を。