得意科目
エントリーシートの書き方について、これまでオーソドックスな項目の書き方についてお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。



今回はエントリーシートに時々登場する「得意分野・科目(以下、得意科目)の項目」について。
得意科目の考え方・書き方
就活において、得意科目、専攻分野を聞かれることはシートに限らず面接においても多々あります。就活生からすると、単位取得のために科目を取ったに過ぎず、特に理由はないんだけどどうしたらよいの…?と思われる方が多いようです。
得意科目を書く枠が1行程度の狭いものであれば「得意科目は〇〇です。」の一言でもよいですが、数行に渡って書く場合にはどうしたらよいのでしょうか。
今回は、そんな得意科目や専攻分野についての書き方について見ていきます。
得意科目の内容はさほど関係ない。
得意科目・専攻分野が仕事に「直接」関わる必要があるか。
そんなことはありません。確かに、仕事に直接関わればPR材料にもなりますし、話しやすいですね。けれども、あなたが学んできた分野と直接関わるような仕事は研究職・技術職でない限り少ないですし、仕事に直接関わる分野を学んでいないからといって不採用になることもありません。内定が出るかどうかは基本的には、あくまで就活生の人柄ややる気にポテンシャルを感じたかということだけです。(上に挙げた研究職、技術職は学んだ分野が直接的に関わることが多いため、採用に関わることが考えられますが。)
では、企業はあなたが学んできた分野について、何を知りたがっているのでしょうか。
得意と思う(専攻)理由からあなたの人柄を知る
やはり、あなたの人柄を確認するためというのが第一です。
「なぜ、その分野を選択したのか?」
「どんな所に、得意さ(専攻にしたいという魅力)を感じたのか)?」
「得意(専攻)分野から感じ取れるあなたの人柄が、うちの企業ならどのように活きるか?」
そんなことを知りたがっています。
背景を伝える。
このことからあなたが伝えるべきは、「なぜ得意なのか」という背景や根拠、そして「その科目のどのようなところが仕事に活かせるか」です。
やはり書き方は「結論→根拠→締め括り」です。
① 結論=何が得意か
② 根拠=得意な(専攻にした)理由
③ 締め括り=仕事にどう活かせるか
① 結論=何が得意か
どんな分野が得意か、専攻は何かを簡潔に述べましょう。
以前の記事にあるように、専門用語を避けて相手に分かりやすく説明するよう心掛けましょう。詳細はこちらをご覧ください。

② 根拠=得意な(専攻にした)理由
得意になった理由、専攻の理由、そしてその背景を明確かつ簡潔に述べましょう。
③ 締め括り=仕事にどう活かせるか
ここが今回の最も言いたいところで大切な部分です。上述したように、あなたが学んできた学問的内容を直接仕事に活かす必要はありません。実際私は理学部数学科ですが、仕事は就職支援です。数学科で学んだ微分やら積分やら写像やらは全く活かしていません。
このように、「学んできた学問的内容をどう活かすか」ではなく、「学んできたことで身に着いた能力やスキルを、どのように仕事に活かすか」ということを述べる必要があります。
そのため、まず考えてほしいのが、「どのように学問に関わったのか、学んできたことに対するあなたの姿勢」と「学んだことで得たことはなにか」です。
志望企業とあなたの学問が近い場合は、企業が行っている事業に対してのあなたの考えや活かせる知識・技術を述べましょう。
志望企業とあなたの学問が遠い場合は、上記のように学んできたことで身に着いた能力やスキルを、どのように仕事に活かすかを述べるようにしましょう。
例えば、
「数の代わりに文字を用いて方程式の解法を研究する代数学では、具体的な事象を式に起こすために一般化して考えることを学びました。このことから、物事を広い視点で捉え客観的に判断分析して、御社のマーケティング事業に活かしたいです。」
のようにすると、どのようなスキルをどんな分野で、どのように活かしたいかが分かります。
また、学問的内容を活かすことを話したいのであれば、自分の力を活かせる職種をホームページ等で探すことも大切です。
専攻分野がない場合
「専攻分野」という質問項目である場合、ゼミナールで学んでいる学問を述べることが一般的ですが、ゼミナールに所属していない学生の方も多いですよね。そういった方は「専攻分野」の項目はどのように書けばよいか。
専攻がないのなら「特になし」でも構いません。が、それだと少しつまらないので、「個人的に力を入れて取り組んだ科目(授業)」やそれこそ「得意科目」を書いて問題はありません。
これに付随して、「卒業論文テーマ」を書くようなエントリーシートもあります。
ゼミナールに所属していれば、卒業論文や卒業研究を課されるところが多いですが、「卒業論文テーマ」がない場合は、それこそ「特になし」でもよいでしょう。4年次に授業が残っている方は、「特にないが、個人的にこの授業を取って勉強している」というようなことを書いた学生の方も過去にいます。これはこれで、他との差異を付けるという意味で、よい書き方だと考えます。
いかがでしょうか?
得意科目、専攻分野も自己PRに変えるということが大切です。以前にも述べましたが、エントリーシートの内容すべてがPR材料になることを意識しましょう。