合格基準としての面接評価項目
前回は、求める人材像と選考評価基準特に行動特性に着目し、お伝えしました。詳しくはこちらをご覧ください。

さて、今回は評価基準や求める人材像を踏まえた面接の評価項目について、見ていきます。
ばらばらの価値観を合格の基準で統一。
前回、行動特性はコンピテンシー評価型面接により見極められることをお伝えしました。直接的に行動特性があるかどうかを聞くのではなく、例えば、「力を入れたこと」といった面接の質問を通して、行動特性を見極めることになります。
ただし、見極める側の面接官も人間です。人それぞれ価値観が異なったり、好みも異なります。一人の就活生に対しても、評価が甘い人もいれば厳しい人もいる。そういった価値観や好みで人選をされては、本当に優秀な人材を見極められません。そのため、合格基準というものがあります。
求める人材像から合格基準となる面接評価項目が作られる。
選考評価基準を人事や各部署の責任者との話し合いで決定し、それを基に求める人材像を作成します。そして、求める人材像を基に、具体的に合格基準となる面接評価項目を設定していくことになります。求める人材像は単なる文章ですので、面接官により解釈が異なり、就活生を観る視点にまとまりがなくなってしまいます。そのため、求める人材像に従って面接評価項目を作ることになります。
例えば、前回も例にした「自己の持つ能力を発揮して自律的に行動し、成果に結びつけられる人」という求める人材像であれば、「自分の能力を積極的に発揮する」⇒積極性、「自律的に行動」⇒自律性、「成果に結びつける」⇒実行力といった評価項目を作ります。
評価項目を作ったら、各項目の評価ポイントを設定します。評価項目だけ設定しても、やはり人により解釈が異なるためです。具体的にするために各項目の評価ポイントを設定するわけです。
例えば、実行力であれば、
実行力:
① 物事を追及してやり遂げられる。
② 動作が活発である。
③ 物事にぶつかっても臨機応変に対応できる。
という風に、実行力で特に知りたい内容を細分化して評価ポイントを作ります。
この各評価ポイントを点数化し、評価に基づく評定を下すことになります。採用面接においては、この評価ポイントや点数をまとめた面接評定表を用いて面接され、合計点数を出して就活生の合否を決定します。
代表的な評価項目
上に挙げた積極性、自律性、実行力以外にも、下記のような評価項目があります。
① 理解力
② 判断力
③ 分析力
④ 表現力
⑤ 目標達成力
⑥ リーダーシップ
⑦ 協調性
⑧ 社会性
⑨ 柔軟性
⑩ 責任感
⑪ コミュニケーション力
⑫ ストレス耐性
これらはほとんどの企業で設定されている評価項目ですが、これら以外にも企業ごとに評価項目はあります。なお、ここでもやはり経済産業省が提唱している社会人基礎力を基に、評価項目が作られていることが分かります。
社会人基礎力について、詳しくはこちらをご覧ください。

身だしなみや態度も評定項目である。
上記においては、能力・性格面における評価項目についてお話しましたが、面接の際に用いられる面接評定表には、これ以外にも身だしなみや態度も評価ポイントとして記載されています。
① 清潔感がある身だしなみ・服装か
② 表情は明るいか
③ 態度は礼儀正しいか
といった評価ポイントが設定されています。服装や表情、態度も観られているということは肝に銘じておきましょう。
いかがでしょうか?
面接評定表は求める人材像を基に評価項目を選定し作成されます。面接では、服装や態度などの視覚的なものから、あなたの性格面まで様々な角度から就活生のあなたを観察します。企業によって、評価項目は多少異なりますし、上記の評価項目は一般的ではありますが、上記のようなことを踏まえて自己分析や業界研究、企業研究を行いましょう。