当社の理念やビジョンのどこに共感したの?
前回は、職種の志望理由についてお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

業種、職種の志望理由について話す際に多いのが、「企業理念に共感した。」という回答です。
このように話すと、たいていは理念について説明を求められます。理念について話すなら、しっかりとその理念に対してどう考えるかを自問自答してから、面接に臨みましょう。
理念は何のために存在するのかを考え、共感ポイントを伝えよう。
「当社の理念をどのように考えていますか?」
「当社の理念のどこに共感するのですか?」
これらの質問、明確に共感ポイントを伝えられますか?理念に対するあなたの考えを述べる必要があります。
企業理念、実はわざわざ触れる必要はないのです。共感しているなら態度や自分のPRポイントで示せばよい。
それにも関わらず、回答の中で「理念への共感」を口にするのなら、上記のような追質問がほぼ確実にあることを覚悟しましょう。
なお、最近ではエントリーシートの設問に理念についての質問を掲げる組織も見受けられます。
理念について質問する意図とは?
理念。これは、公務員も民間も、どの組織も当然持っているものです。
公務員であれば「基本構想」にあたるといってよいでしょう。もしくは、総合(振興)計画の中に理念が必ず載っています。
理念とは、その組織が大切にしていることを述べたものです。その組織の存在意義や社会への貢献姿勢を示しており、この理念のもとで活動しなければなりません。
そして、「雇用する」という意味でも大切でしょう。なぜなら、組織は複数の人が集まって成り立っているものだからです。いわばその組織で働くすべての人の共通認識となるべきもの。それが理念といえるでしょう。この理念を無視して好き勝手に仕事をするとなると、組織はばらばらとなり機能しなくなります。
このような「理念」への共感をなぜ就活生に求めるのか。どのような意図で、理念についての質問をするのか、見ていきましょう。
① 組織の研究深度を知る。
② 共感度=志望度の高さを知り、マッチングを図る。
① 組織の研究深度を知る。
先日の記事でもお伝えしているように、就活生のあなたがどの程度研究が出来ているかを知ることが、まずは意図としてあるでしょう。
例えば「人事が素敵。」「先輩が良い人。」のように、「人」で判断していないか。福利厚生が良い、社風が良いなど外見で判断していないか。それを確認するのです。
もちろん、長く働く上で、上記のような人や福利厚生、社風も大切な条件です。けれども面接官からすれば、それだけでは長く続けてくれるだろう根拠とすることはできない。
これでは、「外見がよいから付き合ってよ。」と言われているようなもの。相手からしたらもっと内面を見てほしい。これで、やっぱ性格合わないから別れるとなったら時間の無駄のように感じてしまいます。
付き合って結局すぐに破局するくらいなら、組織からしたら、真に組織の考えつまり理念に共感してくれる人物でなければ「雇いたい」という想いにはならないのです。
この研究深度については先日の記事でもお伝えしています。こちらも合わせてご覧ください。

② 共感度=志望度の高さを知り、マッチングを図る。
あなたがどの程度理念に共感しているかを知れば、それは志望度の高さに比例し、マッチングを図ることが出来ます。
理念を学生がどう理解しているか、その理念やビジョンに馴染みそれを基に今後活躍する資質があるのか。もし理念を間違った解釈で捉えていたり、理念に否定的な感情を持っていたりするようであれば、ミスマッチとなるのです。
回答するにあたり心掛けるべきこととは。
以上を踏まえて、心がけるべき点は何かを見ていきましょう。
① 共感した企業理念に対する自分の経験を盛り込む。
② あなたの意志を添える。
① 共感した企業理念に対する自分の経験を盛り込む。
組織によっては理念を複数掲げているところもあります。この場合、たまに「理念を全部教えて。」と、とんちんかんな面接官がいますが、ナンセンスな質問です。これは自分の一番共感できる理念を言えば問題ないです。暗記テストではないので、言えなかったからバツとなるわけではありません。
共感した理由を伝える際には、あなたの経験を踏まえて具体的に伝えましょう。
「○○という理念に共感します。私は△△の経験の際に、○○を常に意識しておりました。」
のように経験を踏まえて理念への共感度を伝えましょう。
② あなたの意志を添える。
理念について触れた際、「○○という理念に共感しました!」というだけでなく、その理念に則ってあなた自身がどのように働きたいかという意志を伝えましょう。
やりたい仕事に絡めて話すと、面接官にとってイメージがしやすいです。職種と、理念から感じたあなたの想いや意志を組み合わせることで、やる気のPRとなります。
志望動機に理念への共感を述べてよいか。
志望動機の中で理念に共感したことを書く方が多くいらっしゃいます。それも一つの述べ方ですので、上の心掛けるべきことを踏まえて述べていただいて構いません。
ただ、「○○という理念に共感した」では味気なく、皆と同じに感じさせます。そこで、お勧めしたいのが以下の2つです。
① その理念をあなたなりに解釈した言葉で表わす。
② 一番共感する理念をエピソードの中に取り入れる。
① その理念をあなたなりに解釈した言葉で表わす。
「あなたなりに解釈した言葉にする」のは、明らかに間違いで的外れになっていなければ問題はありません。
その理念に対して「自分はこのように感じたのだけれど、どうか」と先輩社員や人事に聞いてみてください。
その際の社員の方の反応を見れば、自分がちゃんと理念を理解できているかが分かります。
② 一番共感する理念をエピソードの中に取り入れる。
「エピソードの中に取り入れる」というのは、わざわざ「理念に共感しました。」というのではなく、共感できるフレーズをエピソードの中に入れればよいです。
例えば「お客様の要望に応える」というフレーズに共感したならば、
「アルバイトの接客では、例えば○○の際に△△のようにお客様の要望に応え、□□という評価をいただきました。」
などと盛り込むだけでも理念への共感を伝えることができ、他とは違う志望動機にすることができます。
いかがでしょうか?
理念に共感できないのでは元も子もありません。志望する意味がなくなってしまいますので、必ず理念を調べておくようにしましょう。