一次面接で意識すべきこと。
前回、前々回と、2回に分けて集団面接と個別面接の違いについてお話をしました。詳細はこちらをご覧ください。


さて、今回は段階を踏んだ面接の違いについて、見ていきましょう。2回面接が行われることを想定として、一次面接と二次(最終)面接についてお伝えしていきます。なお、自治体や企業によっては、3回以上(多いところで5回~8回)面接する組織もあることはご了承ください。
一次面接を知る。
今回は、一次面接について。この一次面接とは、どのようなものか。この面接に通らなければ、その組織とはご縁がないということになる、そんな意味合いを持った大切な面接ですね。一次に通らなければ役員と面接することすら叶わないわけですから、重要度が高い位置付けのものになります。
どんなにエントリーシート選考を突破しようとも、一次面接で落ちてしまうというのは有り得る話です。では、どのようなポイントをもって話すべきか、見ていきましょう。
一次面接とはどのようなものか。
上述で紹介している集団面接は一次面接で行われることが主です。そのため、集団面接についての記事も合わせてみていただくと分かりよいかと感じます。ぜひ集団面接についても確認をしてください。

では、一次面接とは何か、具体的に見ていきましょう。
① 足切りが目的。
② 人事または一緒に働く未来の同僚との顔合わせ。
③ 突破のポイントはココ!
① 足切りが目的。
集団面接においてもお伝えした通り、一次面接は足切りが目的となります。今の選考スタイルは、就活生に対し応募時にエントリーシートを提出させているところがほとんどです。むしろ提出の義務付けをしていないところの方が少ないくらいです。そのため、一次面接ではエントリーシートから抱いた印象が正しいのかという確認の意味合いがあります。
② 人事または一緒に働く同僚との顔合わせ。
面接は、大きく2つの意味があることは、以前にもお伝えしました。
・就活生であるあなたの人間性が本当にうちの組織に合うのか。
・業界や企業への興味度合い、本気度合い、知識はどの程度持ち合わせているか。
この2つのうちの人間性に関わる部分をメインで見られるのが一次面接です。このことからも人事や先輩社員とくに4年目~10年目までの、新入社員を直接指導するまたは直属の上司クラスの方が面接官となって面接をしてくれます。
ここで組織側の立場でお話をすると、一般的にこの一次面接の面接官は、「面接官という役柄」に慣れていない方が多いです。社長や役員、人事の採用担当者のように普段から面接をしているわけではなく、人事から「一次面接の面接官をやってください。」と依頼されて引き受けた、という方々が多いです。そのため、面接に慣れていない社員の方は、面接官としてどのようなポイントで見たらよいかなど面接官のための研修で、ある程度のレクチャーを受けて臨むことになります。
このことからも、面接官自身が面接に不慣れであるからこそ、深い部分を聞くというよりも「目の前にいる就活生と将来一緒に仕事したいか」という観点が強まり、エントリーシートに則った基本事項を中心に聞くことが多いです。
この「目の前にいる就活生と将来一緒に仕事したいか」という観点をもう少し深く掘り下げると以下が言えます。
(1) やる気はあるのか。
これは大前提です。やる気が感じられないようでは、一緒に仕事したい、採用したいとは思えません。やる気を見せるためにも、言動や態度に気を付けることはもちろん、前向きな姿勢、「なんでもやります!」という能動的な発言を心掛けましょう。
能動的な発言は能動的な行動から生まれます。能動的な行動、経験の重要性はこちらの記事をご覧ください。

(2) 就職後の成長力の高さはどの程度か。
あなたの能力も大切ですが、一番はこの成長力やポテンシャルです。どんなに能力が高くとも、成長意欲がなかったり固定観念の塊で自己中心的で、成長力やポテンシャルを感じられなければ、合格することは難しいでしょう。そのためにも、これまでの経験からの学びを伝えることを意識しましょう。どのような思いでどのような成長をし、それをどのように活かしたいのか。成長やポテンシャルは「成長しました。」だけでは伝わりません。「成長し、それをどのように活かしたいか」という意欲、意志があって初めて、成長力やポテンシャルを感じさせることができます。成長や学びの姿勢については、こちらの記事もご覧ください。

(3) 入社後のビジョンはあるか。
上記のポテンシャルを感じさせるという意味でも、入社後のビジョンを語ることが大切です。入社後のビジョンがあるということは、その企業で何をしたいか、どのような社員になりたいかが明確であるということです。これは、その企業に興味を持って能動的に調べているという証拠になります。逆に言えば、この部分が薄いと興味がない証拠になりかねません。そのため、必ずその企業におけるビジョンは持つようにしましょう。入社後にやりたいことについては、こちらの記事もご覧ください。

③ 突破のポイントはココ!
(1) まずは第一印象が大切。
これは面接に限らず、人と会うどのような場面でも言えますが、印象こそすべてです。
私は、中学生の頃から、第一印象をいつも怖い(柄が悪い)と言われていました。私本人としては全くそんなことは意識したことがなかった(ただ格好つけていただけ・・・)。中高一貫で6年間同じ仲間と過ごしていたため、長い年月を過ごしたことで、「初対面の時は取っつきづらいのかと思ってたけど、話すと面白いやつだよね。」と友人から言われたものです。この私の例のように、6年間一緒に過ごせば、印象を変えることは可能です。
けれども、就活生であるあなたは、10分~20分という限られた短い時間しかありません。この限られた短い時間の中で、印象を変えることは到底不可能。このことからも、面接会場に入室して最初に見たあなたの印象がそのままあなた本来の姿として面接官に植え付けられるんだと、お考え下さい。入室後すぐの印象が悪ければ、それをなかなか覆すことはできません。入室の前、もっと言えば受付の段階から良い印象を心掛けるようにしましょう。
入室後においても、姿勢正しく、明るい表情を心掛けましょう。下を向いたり暗い表情で話をしてしまうと、どんなに素晴らしい内容の話でも、印象は最悪なものになります。内容よりも聴覚、聴覚よりも視覚を意識して、印象良く接することを心掛けてください。印象については、以下の記事でもお伝えしております。ぜひ、ご覧ください。


(2) 自分の意見をしっかり述べる。
個別面接でもお伝えしておりますが、「会話のキャッチボール」を心掛けてください。そして、会話のキャッチボールと同時に、自分の意見を述べることも大切です。追質問(深掘り質問)で追及されて、物怖じしてしまったり、しどろもどろになってしまうと、用意してきたことしか言えず会話のキャッチボールができない(コミュニケーションが取れない)人物だ、と思われてしまいます。
この他、自分の意見を言うという意味では、公務員も民間も時事問題を問われます。それに対してどのように考えるかあなたの意見を求められることもありますので、自分の意見というものをしっかり持ちましょう。(この場合、政治批判は避けることが定石です。)
自分の意見を述べる際は、論理的に述べるよう意識しましょう。あなたの中で話に一貫性があっても、聞く相手にとって論理が成り立っていないということが多いです。そして、ディベートではありません。相手を論破するわけではなく、相手に伝わる論理でなければなりません。論理性については以下も参考にしてください。


(3) 志望動機ややりたいことなど、入社後をイメージする。
上述でもお伝えしていますが、ここが本当に大切です。いくら一次面接とはいえ、志望動機を聞かれることも当然考えられます。志望動機こそ、あなたの意見というものが反映されやすいものです。なぜなら志望動機は、自己PRや力を入れたことに比べて模範解答というものが存在しづらい(逆を言えば、いかようにも話すことが可能な)質問項目です。どんなことを志望の理由にしてもよいのです。志望動機が、一番個人の価値観を投影しやすい質問になりますので、志望動機を価値観を知るという観点を込めて聞いてくることもあります。
「入社後にやりたいことは?」とか、人事面接であれば「10年後、20年後はうちの企業でどうしたいですか?」なども聞かれます。それを聞くことで、入社意欲、本気度合いを確かめています。確実に聞かれるわけですから、必ず考えるようにしましょう。
いかがでしょうか?
一次面接は、「まずはあなたの人間性を知る」というのを第一の目標としています。だからこそ、第一印象が大切であり、やる気を見せることが求められます。面接で答えなければならない基本事項を、基本的なスキル(良い印象やコミュニケーション能力)をもって、しっかりと答えられるようになりましょう。