合否判定はどのように決定されるのか。~まずは、面接官に気に入られる努力を!~

面接

合否判定の決定方法を知る。

前回は、面接後の面接官の心理と、就活生であるあなたが行うべきことについて触れました。面接だけ良ければよいのではなく、面接前後のあなたの振舞いも評価対象です。多くの就活生が面接だけを考え、その前後の振舞いの大切さを忘れてしまいます。それは、自ら薄っぺらな人間であることを伝えてしまっている証拠です。一元的にならず多元的な判断をしましょう。詳細はこちらをご覧ください。

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さて、今回は合否決定方法について、お伝えします。

各種試験を総合して判定される。

面接においては、就活生の評価は「面接評定表」という用紙を用いて判断されますが、その中身は組織によって実に様々です。組織ごとに雰囲気や今後の将来性も異なるため、違って当たり前ではあります。

面接は、組織ごと職種ごとに判断材料は異なるものの、何か1つの項目だけを見るということはありません。例えば、「知力・能力」、「コミュニケーション能力」、「積極性」、「社会性」、「主体性」などと多面的、総合的に見ることになります。そこで求められるのが、客観視です。

面接を軸に各試験は参考資料として。

客観視をして合否を決定するといえど、採用担当者や面接官も人です。面接で話している目の前の就活生に、特に「この就活生は良い」と思い入れの強い就活生に対しては情も移るでしょう。客観的に判断しているつもりができていないということも考えられます。

そのため、客観的に判断したことを裏付ける材料が欲しいのです。その一つが面接における「行動特性を知るための質問」、そして筆記試験や適性検査といった各種試験の結果です。特に適性検査は、面接官が感じたことと検査判定から得た学生の特徴が合うかを見ます。ただし、これはあくまで参考程度です。なぜなら、適性検査は就活生自身が自ら判断して該当項目にマークしているため就活生の主観が入りその時々の心の持ちようにより異なります。また、今後の経験によっても大きく変容する可能性もあります。

このように、面接を通して面接官が感じたことと筆記試験や適性検査を比較し、各試験結果における乖離を探します。乖離の幅が大きければ、就活生が何かしらの嘘をついているか、面接官が就活生をうまく引き出せなかった証拠でしょう。

合否判定は、基本的に合議制。

面接では、就活生のあなたの話す内容やその時のあなたの態度、雰囲気等から評価をします。面接評定表には、あなたの企業が求める人材像に対する設定項目(上記のような知力、コミュニケーション能力、積極性など)を細かい行動特性に分け点数評価する欄や、面接中に就活生から感じた態度や雰囲気を自由に記載する欄があります。(あくまで一般的な話で企業によりさまざまな例外ももちろんあります。)

その欄に就活生が答えた内容をメモしたり、面接で感じた性格や能力、雰囲気や態度を書きこんでいきます。なぜこのようなことをするか。面接はその場で面接官が合否を決めるわけではありません。さらに、面接官は1日に20人程度の就活生に対し面接を行います。20人も就活生を見ていたら、20人目の面接の際には1人目の人がどんな人物だったか忘れてしまうことも考えられます。それは1人目の就活生に対して不公平感もあるため、感じたことや言動、態度を面接評定表に忘備録として記載するわけです。

つまり、面接は面接官が目の前にいる就活生に対して何を感じるかを試す場であり、直接採用を決定する場ではないということです。実際に採用を決定する場はいつどのような場所で行われるのか。それは、面接終了後に複数の面接官や人事、採用の最終決定者(社長)が一同に会する場で行われます。各面接官が記載した面接評定表を比較しながら合議制で最終評価を固めることになります。

この時、適性検査や筆記試験、エントリーシート等を見直し参考にすることもあります。最終的には、求める人材像に対して設定した設定項目をより多く、より深く満たしている人が採用対象者となるわけです。

合議制ですから、満場一致で採用(不採用)が決定することもあれば、採用するか否か意見が分かれることもあります。そのような場合は、最終決定者が「採用」といえば採用となりますし、意見が分かれるから不採用となることもあります。また、決定を下す前に、募集職種の部署の管理職や先輩社員に意見を求め、それを参考に合否の決定をすることもあり得ます。最終決定者の鶴の一声で採用(不採用)が決定するのはベンチャー気質の組織に多く、多くの意見を取り入れて採用を決定するのは大きな組織の採用に多いです。

以上のことからも、面接官はあなたという商品の良さを十分にPRしてくれる、あなたの代理人となってくれる存在です。面接官に気に入られることを念頭に置いて面接に臨みましょう。

公務員任用試験について

公務員試験は面接(人物)重視といわれています。現に配点比率を比べてみても、筆記試験よりも面接試験(人物試験ともいうため、以下人物試験と表記します。)の方が高いです。例えば、埼玉県の一般行政職の一般方式という試験種を例に挙げると、教養試験:専門試験:論文試験:人物試験=100:100:100:400と700点中400点が人物試験となります。埼玉県の場合、人物試験とは集団討論と個別面接に分けら配点比率はそれぞれ100:300となり個別面接が300点と配点が高いんですね。

詳しくは埼玉県の採用ページにある上級試験の受験案内をご覧ください。

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つまり、筆記試験がダメでも、面接で覆ることが多分に可能です。なお、自治体によって合否判定方法が異なります。「筆記試験と人物試験の結果を総合して合否が決定する方式」を採用する自治体もあれば、「筆記試験の得点は筆記試験の合否にのみ影響し、人物試験の合否は筆記試験の得点と合算されることなく人物試験の得点のみで合否が決定する方式」を採用する自治体もあります。これは各自治体の受験案内に記載されていることが多いため、どのような合否判定方法なのかを知りたい場合は、受験案内を確認してください。東京都や特別区(東京都23区)など、合否判定方法を非公表の自治体もありますのでご了承ください。

どんな合否判定方式であっても、人物試験が大切です。筆記の試験勉強も大切ですが、それ以上に人物対策が重要であるという証拠です。公務員を考えている方は必ず準備をしましょう。公務員、民間の両方の支援が可能な私からすると、公務員の方が志望動機は厳しく見られますよ。

いかがでしょうか?
今回は、就活生のあなたへのアドバイスというよりも合否決定方法の紹介のような記事です。ただ、まずは面接官に好印象を持ってもらうことが大切であるということ。それから、確実に合格となるよう組織が求める人材像をしっかりと把握することが大切であるということをしっかりとご理解ください。そのためにも、業界研究、企業研究を行うことが大切です。

面接によっては、面接直後に「採用!」といわれることもありますが、このケースはさほど多くありません。けれども、その場で「採用!」と言われるだけの気概を持って臨まないと面接は受からないということを知っておきましょう。そうすれば、採用通知書をもらった時の喜びも一入です。

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