集団面接で意識すべきこと。
前回は、これまでの面接についてのまとめ記事をお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

さて、今後は面接についても様々お伝えしていきますが、まずは面接の種類とそれぞれの違いについて。
面接といっても様々な種類があるのはあなたもご存じのはず。大きく分けると、集団面接と個別面接(プレゼンテーション面接もありますが、大きく個別に含めます)です。それぞれどのような違いがあるのかを記事を通してお伝えします。今回は、まず集団面接をご紹介します。
集団面接を知る。
集団面接は基本的には一次面接で実施されます。では、その特徴を見ていきましょう。
集団面接とはどのようなものか
集団面接。これは上述したように、一次面接が主です。なぜ一次面接で行われることが多いのか。その理由も含め、集団面接の特徴を以下のようにまとめました。
① 足切りが目的。
② 就活生一人あたりの持ち時間が短い。
③ 傾聴力が大切。
④ 攻略ポイントはココ!
① 足切りが目的。
集団面接の実施人数としては、面接官が2人~5人程度に対し、就活生は3人~6人程度。なぜ就活生を複数人まとめて面接するのか。それは、「足切り」の為です。集団面接を行っている企業は、ほとんどが「大企業」。大企業の場合、何万人、何十万人と応募人数が殺到します。面接の前に筆記試験があり、企業が求める必要最低限の学力を要する人材をある程度絞り込めますが、それでも多くの応募者数が存在します。そのため、足切りのために集団面接が行われます。
足切りが行われるということは、就活生のあなたからすれば、必要最低限のことができていればよいということです。中身の深い部分までを問われることはまずないです。
② 就活生一人あたりの持ち時間が短い。
集団面接が行われる時間は、30分~60分程度です。これを就活生一人当たりの持ち時間で考えると、5分~10分程度。非常に短い時間の中でPRしなければなりません。
これは、逆の立場からも同じことです。企業としては、就活生一人ひとりを非常に短い時間であなたが企業に合う人材かを判断しなければなりません。そのため、評価方法は、「今目の前にいる就活生数人のなかでどうか」という相対評価が主となります。では、具体的に就活生のどこを見て判断するのか。それは「表面的な部分」の確認が主な確認点となります。
「表面的な部分」とは、性格面のこと。本当にこの業界で仕事をしたいのか、うちの企業に入社したいのかことよりも、「この学生と一緒に働きたいか」という人間性重視の視点で面接がなされることになります。これは、集団面接が一次面接という面があり、一次面接では基本的なコミュニケーションスキルはあるかを確認する面接だからです。こういったことから、自己分析系の質問が多いです。
その企業にとってあなたは新入社員になるわけですから、まずはその企業の社員と性格的に合うかどうか、あなたがその企業で働けるかということを自己分析系の質問をして人間性を把握します。そのため、この集団面接(特に一次面接)においては、新入社員を募集している部署の課長や若手社員と面接することになります。なお、自己分析系の質問が多いというだけで、志望動機系の質問はしないというわけではありません。
基本的スキルについては、以下の記事もご参照ください。


③ 傾聴力が大切。
集団面接は、就活生が複数人いるわけですが、だからこそ多くの学生の方が勘違いすることがあります。よく、「隣にいる就活生はライバル」と思われていますが、実はこれは間違いです。隣にいる就活生はライバルではなくチームです。集団面接指導の際に、私がよく言うのが、「チームワークを意識しよう。」ということ。
例えば、「一人当たりの待ち時間が短い」ということに焦点を当てて話をすると、一人当たり5分そこらしか時間がないわけですから、あなたがそれ以上時間をかけて話せば、他の就活生の時間を削ることになり、迷惑になります。企業からしたら、あなた以外の他の就活生の話も聞きたい。それにもかかわらず、自分の話ばかりしていては周りを考えない自己中心的な人物という評価を受けることになります。
そして、面接官は質問する以外にあなたの面接中の様子も見ています。質問に答えている間のあなたの様子はもちろん、質問に答えていない間のあなたの様子も見ています。あなた以外の就活生が答えているときにあなたはどんな様子をしているか。我関せずの状態になっていないか。下を向いていたり、よそ見をしていたり、自分のことばかりに目を向けていれば、やはり自己中心的で周りを見ない人物だということになります。
そこで必要になるのが、「傾聴力」です。質問者の話はもちろんのことながら、他の就活生の話もちゃんと聞いているか。聞くだけでなく、それに対して論理的に話すことができるかということです。
1つの質問に対して、複数人の就活生が順番に答えるわけですから、質問者の質問を他の就活生が答えている間に忘れかねません。そうならないためにも、しっかりと聞きそれに対する答えを論理的に話すことが求められます。
また、例えば「A君が言ったことに対して、Bさんはどう思いますか?」など、他の就活生が答えたことに対して質問されることもあり得ます。そんなとき、聞いてなかった!なんてことは言語道断。他の就活生の話も注意深く聞いていることが必要です。
この傾聴力を面接官にPRするためには、「うなずき」「あいづち」「視線」が大切です。面接官や就活生の話を、興味を持って聞きうなずいたり、時にはあいづちを打ったり、他の就活生や面接官に目線を配ったり。そういった行為を面接官に見せることでチームの意識があることをアピールできます。
④ 攻略ポイントはココ!
(1) 採用要件に合っていること。
これは大前提です。上述のように、集団面接は「この学生と一緒に働きたいか」という視点があります。この視点を確認するために「求める人材像」というものが設定されています。そのため、必ず「求める人材像」を確認して、採用要件に合ったPRを心掛けてください。



(2) 良い印象を与える。
身だしなみはもちろん、良い姿勢と明るい表情で臨みましょう。チームを意識し傾聴力をもって行動することを心掛けてください。身だしなみや表情など下記の記事にもまとめています。合わせてご覧ください。


(3) 端的に自分を伝える。
何しろ時間が短いです。一人当たり5分程度を考えると、一つの受け答えに30秒~40秒程度を意識しましょう。
そのためにも、やはり結論から話すということが大切です。

また、端的に自分を伝えるには、分かりやすく人に伝える説明力や30秒という短い時間で要点を話すための要約力も必要です。そして、集団での受け答えとなるため、他の人と話が被ることもあり得ます。そういった重複がある場合は、表現を変えて自分の言葉で話す。そんな柔軟な対応力も必要です。伝え方にも工夫が必要ですね。



いかがでしょうか?
集団面接の特徴や攻略のポイントをお伝えしました。集団面接は、自分のことばかりとはいかず、個別面接以上に周りにも気を遣う必要が出てきます。基本的な自己分析の質問をされるからこそ、基本的なスキルをもって臨みましょう。