ビジネスにおいて決断が物を言う。
前回は、責任感の定義について、お伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

さて、学生と社会人の違いとして責任感の他、決断力の違いもあります。今回はこの決断力というものについてお伝えします。学生と社会人の違いについては、こちらをご覧ください。

決断するという覚悟を持つ。
学生と社会人の違いとして、社会人は自分で決断することを求められる場面が本当に多くなります。あなたの決断一つで、仕事の成果が変わります。
では、決断力とは何でしょうか?
そもそもビジネスにおける決断力とはどういうものか。今回はこれについて見ていきます。
決断力を要素分解する。
決断力。これは、判断力と誤解されがちですが、判断力とは異なります。
情報を集め、それらの情報が何を意味するのかを考え、ベストな手段を見極め判断をする。これが「判断力」であることに対し、「決断力」とは少ない情報の中でも実行を決定できる力のことを言います。
ただし、決断力と一言で言っても、決断するためには様々な能力が必要となります。では、決断力はどのような要素に分解できるのか。
① 情報を補完する力
② 覚悟を持った遂行力
③ 諦める力
④ 信じ抜く力
① 情報を補完する力
決断力とは、少ない情報の中でも実行すること。そのため、実行にあたっては、情報を補完する力も必要と言えます。これは、想像力と置き換えても良いでしょう。
少ない情報だからと闇雲に決断してよいわけではありません。ビジネスで成功し成果を得るためには、その決断に根拠を持たせることも大切です。
そこで、根拠を持たせるために、少ない情報を補完するのです。過去の経験を考慮した推察や、論理的な考察をもとに想像し補完することで、現段階における最適な選択をすることができます。
時には、スピーディな決定が求められる場面もあります。じっくり吟味している時間がない。このようなときには、こういった力が必要となるでしょう。
② 覚悟を持った遂行力
「闇雲な決断ではなく、根拠のある決断であった。」「あなたに任せてよかった。」このように、周りから思ってもらうためには、その決断を正しいものとしていかなければなりません。
ビジネスにおける決断において、正しいものなどないのです。正解は存在しない。むしろ、成果が出てこそ、その決断が正しかったのだと言えるということが多々あります。
正しい選択はなくとも、その選択を正しいものとすることはできるのです。
つまり、正しい決断であったと感じさせることが大切。現状における最適な決断であったのだと感じさせる。そのためには、一度決断したならばその決断を全うする覚悟も必要です。
覚悟を持って遂行する力が求められると言っても過言ではないでしょう。
③ 諦める力
行っていくうちに、正しくない決断だったのだと気付くこともあります。そんな時には諦めて方向転換する勇気も必要となるでしょう。
一度決めたことだからと、無理に完遂しようとすると、大きな損失を抱えかねない。それが組織に対する悪影響に発展することも考えられます。
組織に悪影響が及ぶ前に修正することも時には大切。その意味で諦めも肝心なのです。実行しながら、修正する力と言っても良いかもしれません。
④ 信じ抜く力
上記の①〜③は、どれにおいても相当な熱量が必要になります。想像しろ補完しろと言われても中途半端なそれでは正しい決断に至らない。
覚悟を持って遂行しろと言われても、正しいのか分からないまま先に進むのは何だか怖い。諦めろと言われても、一度決断したことは諦めづらい。
これら全てに勇気や度胸、覚悟が必要です。そのためにはやはり、思い切りの良さや信じ抜く力も必要でしょう。
決断するということは、思い切りが大切なのです。
決断力を持つために。
決断力を持つためにはどうしたらよいか、見ていきましょう。
① 経験をする。
② 優先順位を決める。
③ 様々な人の意見を知る。
① 経験をする。
上述のように、何かを決断するときの根拠として、過去の経験は、非常に有用なものとなります。
これまでの経験からどのような成功や失敗を得たか、そういった経験の蓄積が、決断に大きな影響を与えることとなります。
ただし、偏った経験は偏った決断になりがちです。経験の幅を広げることで、決断の幅も広がるということです。
偏った決断は臨機応変さを欠いてしまうため、最適な決断となりえないことが多々あります。
経験の幅を広げることは、判断の基準を増やすことに繋がり、より緻密な場合分けによる決断が可能となるのです。
② 優先順位を決める。
優先順位を決めるというのは、物事の優劣を決断するということです。何かを優先すれば、何かを切り捨てることになる。
その判断をする際は、何かしらの基準を持って判断するはずです。そこで、自分なりの基準やルールが形成されることになります。
それは、他の大きな決定を下す際にも、決断の際の基準とすることができるでしょう。
③ 様々な人の意見を知る。
自分で経験すること以外にも、他人の経験を自分に代用することも決断するための材料になるでしょう。
相手の話を聴き、どのように考えているのか、その人の価値観を自分の中に落とし込むことで、新たな選択肢を生むことも可能になります。決断の幅も広がるでしょう。
いかがでしょうか?
仕事には、クオリティを求められることもあります。けれども、時にはスピード重視で、即座に物事を決めなければならないこともある。何かしらの基準を持って決断しなければなりません。
あなたは決断するとき、何を基準に決断をしますか?
面接でもたまに問われることがあるようです。
ぜひ、考えみてください。もし、決断することに慣れていないという方は、上記のようなことを取り組んでみましょう。