新規事業を提案してください。〜提案は研究してこそ生まれる。〜

面接

「新規事業の提案をしてください。」に答える為に。

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さて、就職活動をする上で、総合職を受けるという方もいますね(公務員試験であれば上級職という場合もあります)。企業であれ公務員であれ、総合職を志望する方は、行く行くはその組織の中核を担う存在となります。

そんな中核を担える人材か、それを確かめる一つの質問。それが「新規事業の提案をしてください。」というものです。

提案するための研究を。

企業も公務員も大卒程度の学生を求めるのは、組織の中核を担ってもらうため。組織の中核を担うには、その組織の未来をしっかりと考えることができる人、組織と同じ方向を向ける人が望ましいです。そのために、「新規事業(施策)の提案をして。」といった質問をするわけです。

エントリーシート、面接その両方において聞かれることが多くなったこの質問。画期的かつ斬新な答えを言わないといけないと考える人が多いですが、そんなことはありません。確かに「おー!なるほど!」と関心するような提案をされると、思わず私が採用したくなりますが、そんなに難しく考える必要はないのです。

でほ、どのような観点で提案を考えればよいのか。見ていきましょう。

求められているのは、合理性

確かに、斬新さや発想力を求める企業や自治体も多く存在します。ただし、どのような組織においても、根底にあるのは、「合理的な提案か」ということです。

この問いに、正解はありません。その代わり、非合理的な提案や根拠のない提案、一般的な提案は、マイナスの評価となります。自分なりの根拠に基づいた提案であることが重要です。

では、自分なりの根拠をどのように持つべきか。見ていきましょう。

自分の経験や得意分野を踏まえる。

組織の方向性に合わせる。

世の中の動向を踏まえる。

① 自分の経験や得意分野を踏まえる。

学生時代に力を入れてきたことや自分の知識や得意なことを踏まえて新規事業の提案を考えてみましょう。あなたの経験や強みを組織にどう活かせるのかというPRにもなります。

② 組織の方向性に合わせる。

志望している組織が、今何に力を入れているのか、今後どのような方向に進もうと考えているのか。これを知る必要があります。

当然のことながら、どのようなことでも提案してよいわけではありません。例えば、海外拠点から撤退予定にも関わらず、海外で○○を提案すると言ったとしたら、企業研究の薄っぺらさを露呈します。公務員においても、自然との共生をテーマにしているにも関わらず、都市開発を提案しても納得はされないでしょう。

このように、新規事業の提案はその組織の理解度をチェックされています。これはつまり、その組織の業務や方向性を理解した上で新規提案ができれば、その組織の業務理解をPRできるチャンスともいえるでしょう。しっかりとその組織の研究を行い、得意分野や力を入れている事業について確認、分析をしましょう。

③ 世の中の動向を踏まえる。

こういった類いの質問の中に、「10年後に流行りそうな」という前置きが付くこともあります。そのような場合には、現状の世の中のトレンドを踏まえて提案する必要があるでしょう。

世の中の情勢の中にどのようなニーズが埋もれているか、分析をすることも良いでしょう。

新規提案は綿密に計画を。

このような新規提案を求められる際には、上記の根拠を基に、その組織だからこそできることを述べる。そして、私の面接指導の経験から言えば、公務員も民間も、「夢を持って語る」こと。これらごまず大前提です。

とはいえ、夢だけで仕事はできませんし、組織に損害を被るようなことを提案してはPRにもなりません。

そのため、予算の確保、収益や費用の程度、事業のメリット、デメリット、組織への効果、社会への効果については考えておく必要があるでしょう。

ときにはプレゼンテーションも。

面接で新規提案ね質問をされるのが多い業界は、以下です。

広告業界

エンターテイメント業界

公務員業界

どの業界も、常に新しいサービス、付加価値を追求することが目的となるため、必ず聞かれると考えた方がよいです。ただし、異業種連携での新規事業開拓が進む昨今において、上記以外の業界においても聞かれることがあるでしょう。

そして、この質問において最近増えてきているのが、プレゼンテーションです。このプレゼンテーションについては、別の記事でお伝えしております。こちらも合わせてご覧ください。

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いかがでしょうか?
新規提案はどの業界でも必ず聞かれると考えておいたほうが無難です。そして、自分がその組織でもし新しいことにチャレンジできるとしたならば、どのようなことをしてみたいか。夢を持って考えてみましょう。

そうすれば、その夢がその組織でなければいけない理由、つまり志望動機にもなり、一層説得力が増します。新規提案が志望動機を強固なものにしてくれる。その為にもぜひ提案を考えてみてください。