もしあなたが面接官だったら自分を採用しますか?
前回は、客観視についてお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

さて、今回は自己分析系の質問として、一風変わった答えづらい質問について。
もしあなたが面接官なら…、あなたはどうする!?
「もしあなたが面接官なら、どの応募者を採用しますか?」
「もしあなたが面接官なら、あなたを採用しますか?」
これらの質問。面接に限らずグループディスカッションでも問われることがあります。なぜこういった質問を投げかけてくるのか。何を求めているのか。見ていきましょう。
質問の意図を知る。
なぜこれらのような質問をするのか。以下のようなことが挙げられます。
① 求める人材像を理解しているか。
② 全体を俯瞰する力があるか。
③ 根拠立てて説明する力があるか。
④ 自分のことをどのように評価しているか。
① 求める人材像を理解しているか。
大きく言えば、その組織の「求める人材像を理解しているか。」ということを知るためにです。グループディスカッションや集団面接においては、求める人材像を加味して選定を行えているかということが大切になります。
求める人材像が複数ある場合には、その中でもあなたがどの人材像を最も大切にしているのか、価値観を知ることができるということも意図としてあります。
② 全体を俯瞰する力があるか。
グループディスカッションや集団面接などグループ系の選考であれば、これも大切です。特に「あなた以外で」という場合には一層必要となるでしょう。
自分のことだけに集中せずに、面接官や他の学生など周りを見ることができているか。自分以外で選ばなければならない場合、他の学生の回答についてはもちろん、面接官のリアクションにも目を配り、選ぶ根拠を探しておく必要があります。
③ 根拠立てて説明する力があるか。
ただ、何となく選定するのでは意味がありません。この質問はあなたの説明力や論理性なども見られています。
論理的に説明するためにも、上述のように求める人材像や選考中の全体を俯瞰することには注力した方が良いでしょう。
④ 自分のことをどのように評価しているか。
「あなた以外で」という但し書きがない場合や、「あなたを採用するか」という質問であれば、自分のことをどのように評価しているか、あなたの価値観を知るために聞いています。自己分析したことをしっかりと伝えられれば問題ありません。
「自分への自信」を確認する意図もあるので、自信のなさを見せることがないようにしましょう。
答え方のポイント
では、この質問に対する答えはどのようにすればよいのでしょうか。見ていきましょう。
① 自分を卑下しない。
② ビジネスの視点での根拠を伝える。
① 自分を卑下しない。
決してあなた自身を卑下しないでください。「私に比べて、Aさんは~。」など「私は○○という短所がある一方で~。」など卑下する必要はありません。卑下するということは、「自信のなさ」が伝わり、印象も良くなくなります。
この質問は、「自分への自信」を確認する意図もあるのですから、「あなた以外」という前提がない場合は「私を採用したいと考えます。」と堂々とお伝えしてもよいのです。
② ビジネスの視点での根拠を伝える。
上述のように、根拠立てて説明することが大切です。
「あなた以外で」という前提があるならば、他の学生の話を聞いてどう感じたか、良い点を挙げて評価できる点を具体的に根拠立てて伝えましょう。
「あなたを採用するか」という質問や「あなた以外で」という前提がない場合は、「私は、~な人間であり、その点が御社の○○な部分と合致すると考えるため、その点を評価して採用します。」というように評価ポイントやその根拠となるエピソードを話すことで具体的に伝えましょう。
いずれの場合も、求める人材像や活躍している人材像に照らし合わせて根拠を伝えることが望ましいです。求める人材像や活躍している人材像には、その組織で仕事するうえで必要とされている、または必須のスキルが隠されています。
その必要とされているスキルの中から「この点が評価できる」ということを伝えることで、面接官もあなたが大切にする価値観やあなたを採用するための根拠を見出せ易くなります。
いかがでしょうか?
この、「誰を採用するか」または「自分を採用するか」という質問に対して、どのように受け答えすべきかという相談を受けることがあります。「自分を採用する」と言わない方が良いのではないか、「厚かましい」と思われないか。そのように心配される方が多いですが、そんなことはありません。
自分以外について話す、自分について話す。そのどちらにおいても、あなたの発言から「根拠立てて話すことができる人物だ」、「全体を俯瞰できる人物だ」、「主体性がある人物だ」とあなたの発言から面接官に感じさせることができるのです。自信を持って受け答えしましょう。