圧迫面接は乗り切れる!
前々回、前回と、一次面接と最終面接の違いについて触れました。一次面接は人物面を中心に見られ、最終面接は志望の本気度合いを見られます。どのような観点で見られるのかを把握した上で、面接に望むようにしましょう。詳細はこちらをご覧下さい。


さて、今回は学生のほとんどの方が凹む、圧迫面接についてみていきます。
なぜ圧迫面接を受けなければならないのか。
圧迫面接は、就活生なら1回は必ず受ける面接です。たまに、圧迫されてたみたいだけど自分にはそう感じなかったという学生の方がいますが、ほとんどの方は凹んで私のところに帰ってきます。
この面接。なぜわざわざ圧迫するのか?見ていきましょう。
圧迫面接事例
どのような圧迫がされるのかを、まずは見ていきます。以下が事例となります。
・恐ろしい人相で睨まれ、怒鳴られた。
・自分の答えのすべてを完全否定された。
・君、向いてないよと言われた。
・頬杖をついたり腕組みをされ、イライラした態度をとられた。
・常に態度が大柄だった。
・ずっと下を向かれ、答えても反応がない。
・一切笑顔がなくはりつめた空気の中で行われた。
・話している最中にため息をされた。
・終始、携帯をいじられた。
これらの事例のように、否定したり、態度が悪かったりと、面接の雰囲気を悪くするような面接を圧迫面接と言われています。この圧迫面接は、個別面接で行われることが多いです。情報社会である昨今、面接情報の書き込み等で企業のイメージダウンに繋がりやすいことから、この圧迫面接は減少傾向にありますが、「面接官によっては」行われているのが現状です。
ただ、面接官も圧迫面接をするのにはそれなりの意図を持って行っています。
圧迫面接の意図とは
圧迫面接の意図として良く挙げられている理由は、以下のようなものです。
・学生のストレス耐性を知るため。
・きつい言葉への冷静な切り返しができるかの確認。
これらの理由が挙げられます。最近はストレス社会と言われています。個人ではなく組織だからこそ、仕事環境の悪化や人間関係悪化によるいじめは後を絶ちません。そのため、そういった社会的問題があるがゆえに、ストレスに強い人材かを見ているということになります。
圧迫面接への対策
これらの理由を踏まえ、就活生のあなたの立場で言えば、びくびくしたり、うろたえる必要もなく、毅然とした態度で冷静に自分の意見を述べることです。
否定されたりあなたの話を聞いていないような素振りでも、おどおどする必要はありません。それが目の前にいる面接官の普段の態度なんだと思えば良いです。おそらく、あなたの目の前にいる面接官は、人と接する際には普段からもそのような態度をとるのでしょう。否定されても、「あー、この人とは合わないんだな」くらいで受け流してください。
また、普段の仕事の鬱憤を晴らすために、就活生をいじめてやろうくらいに思ってる、心の小さい面接官もいます。かわいそうな人です。哀れんでやりましょう。
ただ、1つだけ勘違いしてほしくないことがあります。それは、人を見るのではなく会社を見てほしいということです。圧迫面接をされ、面接官と合わない、面接官が嫌だと感じても、それは面接官との人としての相性であるに留まり、組織全体との相性に直結しません。
その組織への今あなたが感じてる想いをしっかりと伝えてください。人との相性よりも組織への想いが勝れば(面接官に伝われば)、圧迫面接でも受かります。
そのためにもマイナスな発言は避けましょう。わざと後ろ向きな発言をさせるよう誘導しあなたを試している場合も考えられますし、あなたのマイナスな発言がきっかけで苛立ち圧迫となるということも考えられます。
以上から、あなたの対策をまとめます。
・圧迫面接用の練習をしておく。
・本質を答える。(後述)
・マイナスな表現は言わない。
・圧迫面接時は冷静に対処。
以下、余談です。
私が新卒のとき、某ホテルに面接にいった際には、「バンドでボーカルやってます。」と答えた際、「バンドマンなの?バンドマンって礼儀ないでしょ。それなのに、ホテルマンを志望するわけ?」とおじさん面接官から言われました。最初は我慢して受け答えをしたのですが、「所詮バンドマンでしょ?」と言われ、カチンときて、「はぁ?あんたに何が分かんだよ?バンドマンに礼儀を感じないなら、言ってやるよ、あんたみたいに偏見で物見るやつに外国人の方の相手は務まらねーよ。」と吐き捨てたことがあります。当然落ちました。
一方で、圧迫に慣れ始めた頃に、終始冷たい態度を取られ否定されながらも答え、最後に面接官の方に「あなたの名前を教えてください」と聞き、次の面接でこの方の名前を挙げ、「○○さんには、コミュニケーション能力がないとお見受けします。どういう社内教育をされているんですか?」と言ったところ、お詫びされ、それにも関わらず合格しました。おそらく、推測にすぎませんが、そういう強気な部分が評価されたのでしょう。(けれども、これはたまたまです。お勧めはしません。)
圧迫されたから落ちるわけではなく、あくまで相性であるという一例です。
圧迫面接とは限らないことも。
あなたが圧迫だと感じる面接。本当に圧迫面接でしょうか?じつは、あなたが圧迫面接だと勘違いをしている場合もあり、面接官としては圧迫しているつもりはないということも考えられます。
「なぜ?」を繰り返す。
「なぜ?」を繰り返されてきつかった=圧迫面接と言われる方がたまにいますが、これは圧迫面接ではありません。あなたを深く知るために、「なぜ」を繰り返しているのです。
あなたの行動一つ一つに何かしらの理由があるはずです。そして、その理由の裏にはさらに本質となる理由があります。
例えば、「なぜそのアルバイトを選んだのですか?」と問われた際、「お金を稼ぎたかったから」と言ったとします。ただ、その理由の裏には必ず多くの背景や更なる理由が存在しますよね?「家計を助けるため」「留学するため」「サークル活動費に充てるため」等々。人それぞれ理由があります。そして例えば「留学するため」という理由の裏にも「ダンスを学びたい。」「異文化を知りたい。」「○○語を学びたい。」等々。人それぞれ理由があります。
そのため、最初の「お金を稼ぎたい。」という理由だけを聞いても、本質は掴めないのです。その理由の更なる理由を聞くことで、初めてその就活生の本音、価値観を知ることができます。
そのあなたの本質を知るためのなぜなぜ攻撃であるため、「なぜ?」を繰り返されることは圧迫面接ではありません。むしろ、あなたに興味を持ってくれているんだと思うべきでしょう。
もし、それに答えられないとしたら、それは就活生のあなたの課題です。面接を振り返り、答えられなかった部分を掘り下げ、論理性の強化をしましょう。そして、面接の際には、表面上の理由ではなく、裏のさらに裏にある本質となる理由を答えるようにしましょう。
後は、その面接官の話し方等の問題です。「なんで?」「それで?」「ふーん。あっそー。で?」など砕けた話し方で聞かれる場合もあるでしょう。反応してくれているだけマシと思いましょう。無反応よりかはましなので、臆せず答えてください。
なぜを繰り返すことについては、以下もご覧下さい。

その面接官の人間性次第。
面接官本人が無意識に醸し出している雰囲気のせいで、圧迫に感じるということも考えられます。
元々が無口であったり、真剣に話を聞いているがゆえに真顔になってしまいそれが怖く感じられたり。それは、もう無意識の域なので、こういう人なんだなーくらいに考えてください。
なお、面接官も仕事として行っている方が多いです。仕事で上から圧迫するよう言われた場合は、仕方なしに圧迫の雰囲気を出している場合もあるでしょう。
そもそも、仕事への姿勢が疑われる人は、「なんでこんな仕事しなきゃいけないの?自分の範疇でもないのに」と考えている不届き者もいます。そういった面は反面教師にしつつ、自分の答えるべきことをしっかりと話すように心がけましょう。
上記でも言いましたが、面接官との相性よりも、会社への想いが優先度は高いです。どんなに否定されても、切り返しが大切です。上記就活生の頃の私のように、逆ギレしないようにしてください。
向いてない、無理だよと言われたら、「どのような点でそう思われたのでしょうか?今後の私の成長のためにご教示ください。」など、やる気や成長意欲を見せるような発言を心掛け、それを踏まえてアピールに繋げていきましょう。
いかがでしょうか?
圧迫面接は、古い体質の体育会系企業ほど、多いです。公務員においては、公安系(警察、消防)に多いです。公安の場合、凶悪犯罪やストレスフルな状況下での冷静な対処が求められるので、圧迫面接が存在する理由は分かりますね。
どのような面接でも、冷静に日常のあなたの姿をしっかりとアピールできるよう、面接で答えるべきことの洗い出しと、面接練習を繰り返しましょう。