今までで一番成功したことは何ですか?~成功した事実よりも過程を重視しよう!~

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今までで一番成功したことは何ですか?

前回、就活が辛いと感じる人に向けてのメッセージとしてお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

就職活動が辛いなら〜立ち止まるのも大切。〜
就活が辛い。そんな時は立ち止まるのもあり。前回は、「仕事を楽しむ」ことについて、お伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。仕事は楽しめないと意味がない。私はそう考えています。社会人50年、学生年数よりも長くこの道を進むわけですか...

就職活動はやらなければならないわけではありません。人それぞれ社会に出るタイミングというのは異なります。自分には本当に今必要なタイミングなのかということを見極めることも大切です。

さて、今回は久しぶりに面接の回答についてお伝えします。就活に不安に思う方を見ていて感じるのが、「今まで成功したという感覚がなく就活も無事に成し遂げられるかどうか・・・」という不安を抱えている方が多い感じます。ということで、「今まで成功したことがあるか。」という問いに対する受け答えについて今回はお伝えします。

「今までで一番成功したことは何か?」を答えるために。

「今までで一番成功したことは何か。」
「あなたの成功体験を教えてください。」

これらの問いは、就活に納得感を生むための自己分析をする上でぜひ自分に問うてほしい質問です。そして、面接でも聞かれることがあるので、ぜひ考えてみましょう。

この質問はどのように答えればよいのでしょうか?

「成功」とはどれ程のレベルを指すのでしょうか?

ものすごく大きなことを言わなければならない。大きな成功がない。そういう風にお考えになる方も結構多いです。

「成功体験」を聞く、その意図とは。

では、「成功体験」を聞くその意図とはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

あなたの人柄を知る。

あなたの意欲の高さ、目標に対する取り組み姿勢の程度を知る。

成功からの学びとその活かし方を知る。

① あなたの人柄を知る。

この質問は、やはりこの「人柄を知る。」ことにあるでしょう。面接官が一番知りたいのは、成功経験そのものではありません。むしろ、それに対してどのようにあなたが「自分事として」関わったのかということが知りたいのです。

「こんな成功をしました!」という自慢話を聞きたいのではなく、その成功をどのように成し得たのか。それを知ることで、あなたの仕事への責任感や取り組み方を推し量るのです。

② あなたの意欲の高さ、目標に対する取り組み姿勢の程度を知る。

大切になるのが、「自分事として」関わったのかということ。

これは「チームへの関わり方」と言ってもよいでしょう。チームの事などどうでもよいというのでは、組織の一員として迎え入れることはできないでしょう。チームとしてこんな成功しましたという他人事のような話では非常にもったいないです。そのチームとしての成功に、あなたがどのように関わったのかということを意識しましょう。

余談ですが、たまに他人の話を自分事のように話す人がいませんか?「私のお父さん、弁護士なんだー♪」とか「彼氏が○○大学卒業してて~。」のように。「だから何だよ、あなたの事ではないでしょう!」とツッコミを入れたくなりますよね?不必要な自慢話で、両者にとって何の得もありません。他人の事を話されたところで「だから何?」としかならないのです。面接官にとって、興味があるのは「あなたがどうしたのか。」ということなのです。

③ 成功からの学びとその活かし方を知る。

あなたが語る成功体験。それが成功したのにはどのような理由があるのでしょうか?その体験を自分で評価できますか?評価ができないということは、それはつまり「他人事として」物事を見ている証拠となります。

ご自身の判断で何かしらの選択をし、その選択により成功にこぎ着けるそのパワーも大切です。一方、その成功した事実を「満足」で終わらせていませんか?満足だけで終わらせていたら、人の成長はそこで終わります。同じ経験についてはもちろんの事、新しい経験をするのにも成功から学んだことをどのように活かしているのかという向上心を見極めたいのです。

「成功体験」に対する回答のポイント

ポイントは以下の3つです。

あなた自身が立てた目標をどのように達成したかを述べる。

努力の程度やあなたなりの工夫を述べる。

成功からの学びとその活かし方を述べる。

① あなた自身が立てた目標をどのように達成したかを述べる。

成功といえるためには、目標がなければなりません。誰でも成し遂げられそうな「小さな目標」では弱いですが、「何かの全国大会で優勝した。」といういような壮大な目標でなくても構いません。成し遂げることが簡単な努力だけでは一筋縄ではいかない、かつ、あなた自身が成し遂げなければならない目標を立てるようにしてください。

「何かの全国大会で優勝した。」というような大きな目標は、当然面接官の興味を惹きます。けれども、それだけが全てではない。そのような経験がないからと不安に思う必要はありません。あなたが立てた目標に対してどのように成し遂げたのかを伝えられれば問題ないのです。優勝の事実はそれほど大切ではない。大切なのは、「その経験とどのように向き合ったのか」ということなのです。

サッカーでも野球でも、アルバイトでもどのようなことでも、あなたがどのような役割(役職やポジションでなくても可)を担当し、その役割を全うするために立てた目標こそが重要なのです。

② 努力の程度やあなたなりの工夫を述べる。

成功したことを聞きたいのではなく、あなたの取り組み方や姿勢を知りたい。それが面接官の考えです。そのため、あなたが自身に課した目標に対してどのように向き合ったのか、その成功までの過程を伝えましょう。どのような努力や工夫をしたのかを具体的に述べてください。

時には葛藤や失敗があってもよいでしょう。葛藤や失敗をどのように成功へのバネとしたのかを述べることもよいのです。失敗からの成功を伝えることも一つの手法です。

③ 成功からの学びとその活かし方を述べる。

もちろん、成功からの学びを話すことは忘れずに心掛けましょう。ビジネスの世界、業務に終わりはないのです。1つの事が終わればまた新しいことが次に待ち受けています。つまり、1つの仕事で満足のいく成功を得たとしても、その成功にばかり目を向けているわけにはいかないのです。次の成功を導かなければならない。常に先を見ることが求められます。

そして、同じ事の繰り返しをしていればよいという訳でもありません同じような結果しか得られず、組織としての成長も見込めないためです。昨今、公務員であっても民間であっても成果主義の考え方が導入されています。常に成果を上げなければならない。そのためにも、成功から学び、次の成功を生む努力をすることが必要なのです。

その成功体験から成功の理由を抽出し学びを得ることで、次の事柄に活かしていこうという姿勢を面接官に見せるためにも、この部分はしっかりと述べるようにしましょう。この「学びの姿勢」については、以下の記事でもお伝えしています。以下も合わせてご覧ください。

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いかがでしょうか?
「今までで一番成功した」ことを話すとき、「大学時代でなくてもよいか」という質問を受けることが多いです。面接官の質問の中に「大学時代に」などの断りがなければ、大学時代以外でも構わないでしょう。ただし、基本的には現在のあなたのことについて知るために面接は行われます。基本は大学時代のことを伝えるようにしましょう。

高校以前のエピソードを話したところで、大学4年間(正確には3年間)で成長しているはず。その成長を自ら否定している、もしくは、大学時代は能動的に活動していないのではないかという疑念を与えかねません。

成功の定義は人それぞれ。あなたなりの成功はどういったものでしょうか?ぜひ考えてみましょう。