まちには情報が溢れている。
前回は、面接前日にやっておくこととしてお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

この中で、公務員志望者に対してはまち歩きをしようとお伝えしています。
このまち歩き、侮るなかれ。
自治体を受けるなら、その自治体を知ること。
昨今、SPIで試験を受けられるなど、自治体の試験も多様化してきています。
これは、多様な人材を得られる意味では良いことかもしれませんが、全体の奉仕者としての側面を考えると、「安定目的」「興味本位」で受ける方の増加が懸念される。
自治体、住民のためにという大切な目的がないのです。
だからこそ、そういった人物を排除する意味でも、面接は志望動機も厳しく見られることは必須です。
受験予定の方は、生半可な気持ちで受けないようお気を付けください。
民間と公務員の併願については、以下も合わせてご覧下さい。

まち歩きをして、志望動機を深めよう。
公務員受験においてもやはり苦労するのが、志望動機。私の所にも多くの方が相談にいらっしゃいます。
そこで、私がよくお伝えするのが、以下のこと。
① 総合計画、基本構想、個別計画を見ること。
② まち歩きをして住民インタビューをすること。
① 総合計画、基本構想、個別計画を見ること。
総合計画や基本構想は、向こう5年〜10年の将来目標を掲げたもの。自治体の目指す方向性が示されていて、いわば企業における理念のようなもの。
そして、それを基に個別具体的な計画として施策、取り組みが書かれたものが個別計画。具体的な取り組みが書かれているため、確認すること必須です。
志望者の多くがここまでのことは調べます。
そして志望者の多くが感じることがある。それが、「どこも似たり寄ったりな取り組みをしている」こと。
そりゃそうだ。日本全国的に、少子高齢化が進む、住民の都心への流出が激しい。どの自治体も抱える課題はほぼ変わらない。
そして、国や県から、住民サービスを提供するその方針を示されれば、それに従うことが自治体には求められる。
それ故に、施策が似ることは当然。
その自治体特有の施策はそんなに多くあるわけではないし、あったとしてもそれを言えば面接に受かるというわけでもない。
② まち歩きをして住民インタビューをすること。
では、志望動機を持つためにはどうしたらよいか。
その自治体の特長や大切にしていること知ることです。
その自治体がどんな自治体なのか。産業が発達しているのか、歴史的文化財を推しているのか、自然を大切にしているのか、都市化を進めているのか。
そして、そういった特長を踏まえて、あなたは何をしたいか、どんな市に発展させたいかということが志望理由となるのです。
自分の住んでいる自治体と受験自治体を比べてというのも、そういった特長を把握するためです。隣同士の市でも、例えば都市化の進度など異なることが考えられる。
「では、その違いを踏まえて、受験自治体で何ができる(したい)と考えるのか」ということを述べることが大切です。
そして、自治体はやはり広い。一番狭いと言われている富山県舟橋村でも、3.47平方キロメートル。東京ドーム75個分くらいと広い。
つまり、1つの自治体の中に様々な面、地域があるということ。住宅街もあれば、農業地域もあれば、商業地域もある。
公務員としては一つの地域だけ限定してサービスするわけにはいかないのです。様々な地域に目を向ける。その方法こそが、「まち歩きインタビュー」となります。
実際に足を運んで自分の目でその自治体の現状に目を向けてみてください。そこから感じる特長を踏まえて、何をしたいかを考えること。
そして、ただ行くだけでは主観的なものしか見えてきません。自治体で働くからには、住民目線が大切。商店街等に住む住民の方へのインタビューを行い、自分だけのオリジナルの情報を集め、志望度を高めていきましょう。

いかがでしょうか?
公務員は仕事が楽。そんなイメージで受ける方が多くいますが、そんなのは幻想。仕事が楽と考えているあなたは、公務員の仕事が何たるかを知らない。
このゴールデンウィークを利用して、ぜひ受験自治体のまち歩きインタビューをしてみてはいかがでしょうか?
街並み、商店街、駅前、施設、イベント。
まちには情報が溢れていますよ。