就活では、リーダーシップ能力は語らない!~相手に伝えるべきは、その素質~

自己分析

リーダーシップ

リーダーシップ能力。
連日、面接対策やシート添削をして目にしたので、本日はこの能力について触れます。

学生の多くが、「リーダーシップ能力があります。」と、エントリーシートや面接でPRしますが、じつは、リーダーシップ能力があることを、この言葉のまま述べても、意味はないんです。

「リーダーシップ能力」自体、じつは漠然とした言葉。なぜなら、リーダーシップと一言でいっても、人それぞれ、企業それぞれで定義が変わるためです。

そのため、リーダーシップ能力があると述べても、これ自体はPRにはなりません。もしリーダーシップ能力をPRしたいなら具体的に、どのようなリーダーシップ能力があるのかどのようにリーダーシップ能力を発揮したか、を述べるようにしましょう。

リーダーシップとは

リーダーシップの意味

コトバンクの意味合いを借りると、
集団目標(組織の使命)を定め、チームを統率し、メンバーが自発的に集団活動に加わり目標達成に向け動けるよう、導いていくための機能
※ 詳細はこちら。→コトバンクへリンク

この機能を果たすための能力がリーダシップ能力であり、当然この機能を果たす方法はいくつかあります。

また、かの有名なドラッカーはリーダーシップについて、3つの定義をしています。

リーダーに、つき従う者がいること。

リーダーシップを地位や特権ではなく責任と見る。

リーダーシップは資質ではなく仕事である。

①について、
つき従う=強制的に従わせるわけではありません。その両者に信頼関係があることが重要です。

②について、
部下が自由に活動できるよう、部下の行動を保証・支援する存在がリーダーであり、リーダーは最終的に責任を負う。それがリーダーの役割だということです。

③について、
リーダーシップとは才能ではなく、指導力、判断力、決断力を仕事として発揮できることが求められます。リーダーという「役割」を正しく認識せず、その地位をひけらかすようなことはあってはなりません。

以上が、リーダーシップの定義です。
これらを踏まえて、続いては就職活動において就活生に求められる能力はどのようなものがあるか、述べます。

就活生に求められるリーダーシップ

面接官は以下のような視点で、就活生であるあなたのリーダーシップを推し量ります。

目的をもって行動できるか、その目的をメンバーに正確に伝えられるか。

メンバー同士の対立や意見の衝突が起こった時に、信頼関係をもって双方をまとめることができるか。

1人で行うのではなく、周りの人を巻き込む力があるか。

当事者意識をもち、課題解決に向け広い視野で解決策を提案できるか。

これらの視点は、上述したリーダーシップの機能を果たす方法でもあるわけです。

そして、これらを踏まえてあなたが述べるべきは、「リーダーシップ能力がある」ことを述べるのではありません。これらの果たすべき方法を、これまでどのようにできたかを述べるようにしましょう。

企業により、求められるリーダーシップは異なる

どの企業も同じリーダーシップ能力を求めるわけではありません。
上記のことも踏まえつつ、例えば、
体育会系の企業では「みんなをまとめ引っ張るリーダー」を求めているかもしれないですし、和やかな風土の企業では「チームを見守ることができるリーダー」を求めているかもしれません。

そのため、「リーダーシップ能力」と広い概念で述べるのではなく、例えば、「私は周りの人を巻き込む力があります。」など、どのようなリーダーシップ能力を発揮したのかを述べるようにしましょう。

役職よりも素質をPR

どのようにリーダーシップ能力を発揮したのかを述べようとすると、たいていの人は、役職に目を向けます。「大した役職に就いていない」とあきらめるような人も中にはいます。

確かに、役職は一つの評価として大切ですが、肩書きがあるからといって、あなたにリーダーシップがあることの証明にはなりません。肩書きは役割として与えられたに過ぎないのです。

それこそ、周りを巻き込めるムードメーカーという役割だって、リーダーシップの素質を十分にアピールできるわけです。

こういったことから述べるべきは、どのような場面でどのような素質をどのように活かしたかということです。そして、その結果としてどのような成果・結果を得たのかを述べることで、リーダーシップに箔が付くことになります。

いかがでしたでしょうか?
リーダーは、単なる役割です。
リーダー経験を積むこと=周りとの差別化を図れる経験とはなりません。リーダー経験がある人は、せっかく経験しているわけですから、その経験をどのような場面でどのように全うしたのかを述べるようにしましょう。

以上を踏まえて、今一度自己分析をしてみてください。新たな面が見えてくるかもしれません。自己分析については、以下の記事をご覧ください。

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