あなたの「寄り添う」は本物?自己PRで寄り添うの安売り実施中。
前回は、自分を取り繕うのではなく、しっかりと想いの整理をしようということをお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

さて、最近巷で増えているのが、「寄り添う」という言葉です。エントリーシート添削でも面接指導でも本当に多い。
今回は、この「寄り添う」という言葉についてお伝えします。
あなたは本当に寄り添えているか?
「相手に寄り添った対応ができます。」
このような表現でよく聞く自己PR。
寄り添うという言葉を多用しすぎていると感じてしまう。それほど多く見るのがこの言葉です。そもそも、寄り添うとはどういう意味なのでしょうか?本当に寄り添えているのでしょうか?
寄り添うとは?
寄り添うとは辞書的に言うならば、ぴたりとそばに寄ることを意味し、就活においては、心に寄り添うという意味で使う方が多いです。
ここで少し戸惑うのが、「寄り添う」といっても、人の心や想いというのは目に見えたものではない。そして、本当の想いを言葉にする人は意外と少ない。だからこそ、「人(の心)に寄り添う。」というのは難しいことですし、本当にそれが目の前の就活生はできているのか?と、疑問を感じることもしばしば。
キャリアカウンセラーという立場である以上、この寄り添うという行為は私自身が非常に気を遣います。キャリアカウンセラーの中には寄り添うことが端からできていない方も残念ながらいらっしゃいます。
私も、「エントリーシートの締め切りが明日なんです。。。」という人がいると寄り添うよりもシートの完成を優先目的として話すこともある。
なぜ気を遣うかというとそれは、人は往々にして、自分の意見を優先したがる生き物だからです。ある事象に対して、真っ先に「自分はどう思うか」を考えることができるのが人間。相手がどう思うかにはなかなか目がいかないものです。
以上を踏まえて、私なりに解釈して「寄り添う」という言葉を定義するならば、「相手に興味を持ち、共感し、相手のために自分ができることは何かを考えること」です。
自分はどう思うかということとは別に、相手に興味を持ち、共感することができている人は、寄り添えているなと感じます。そして、共感するからこそ相手の価値観を認め、それに従って相手の言葉にない求めに対する行動を起こすことができます。逆に、相手の求めに応じ行動を起こさないといった選択もできます。
だからこそ、寄り添うという言葉を使う際には、本当に相手への配慮ができているかということを意識した上で使うようにしましょう。
共感するということについては、こちらも合わせてご覧下さい。

いかがでしょうか?
寄り添うというのは口で言うのは簡単ですが、なかなか行動に出ることがしづらいものです。例えば、「相手の立場に立って寄り添う」という自己PRの割には、グループディスカッションでは人の意見を聞いているようで自分の意見を必死にまくし立てている人がいました。
これでは、寄り添う自己PRが台無しですね。好印象を持たせることを狙って、寄り添うなんていうやわらかい表現の言葉を選ぶよりも、真に自分に合ったPRをしましょう。