傾聴するとはどういうことか。
前回は、信頼関係の構築法について、お伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

さて、前回の記事の中で、傾聴することは信頼関係を構築する上で、「当たり前」であるとお伝えしました。なぜ当たり前と言えるのか。今回は、この傾聴についてお伝えします。
傾聴はコミュニケーションの基本。
傾聴力は、社会人基礎力の一つとしても掲げられています。それだけ大切なのが「傾聴」というもの。
なぜ大切なのか、見ていきましょう。
聴くとは何か。
「あなたにとって、コミュニケーションとは?」と質問すると、大半の方が話すことに主眼を置いて答えてくれます。
話すこと、伝えることに意識が行きがちになりますが、それはコミュニケーションとしては、不十分です。
大切なのは、話すことよりもむしろ聴くこと。
ては、「聴く」とは何でしょうか。
「聴く」という文字の中には、耳、目、心という字が含まれます。これは、前回もお伝えしていますが、「耳で聞き、目で観察し、心で感じる」ということを表すのです。
相手の気持ちに寄り添い、注意深く耳を傾け、共感し受容する。これが「聴く」の正体なのです。
共感や受容は、同調とは異なります。同調とは、調子を合わせること。他と同じ意見や態度になることを指します。それではなく、あくまで相手の価値観をそのままに受け入れることをいいます。
つまり、傾聴力とは、相手の話に興味を持って耳を傾け、相手の言葉の中にある真意を引き出し、自分の中に受け入れることをいいます。
コミュニケーションについては、以下でもお伝えしています。以下も合わせて、ご覧ください。

ビジネスにおける傾聴の重要性。
では、なぜ傾聴が大切なのか。ビジネスの面から考えてみましょう。
① 相手を思う姿勢で信頼を得られる。
② 職場の人間関係を良好にする。
③ お客様や取引先との関係を良好にする。
① 相手を思う姿勢で信頼を得られる。
これは前回もお伝えしたことですが、信頼を得るための基礎と言っても過言ではありません。
傾聴するということは、相手の話に興味を持ち受け入れることをいうのです。相手を理解しようとするあなたの態度が相手の心を開き、あなたに信頼を寄せ、良好な人間関係を築けるのです。
② 職場の人間関係を良好にする。
組織の中には、多種多様な価値観を持つ人々がいます。上司と部下、先輩と後輩。社長、部長、平社員。このように役割が違えば考え方だって異なるでしょう。
人間関係の悪化は、このような役割や立場による考え方の相違のぶつかり合いから生まれるのです。
傾聴により相手を理解し、その価値観を受け入れられれば、業務や環境の改善、新規事業につながるアイデアを得られることも考えられます。
③ お客様や取引先との関係を良好にする。
お客様や取引先への営業や折衝において傾聴ができると、相手との会話の中からニーズやヒントを見つけ出すことができるようになります。
相手に寄り添い相手を理解しようとすることで、何を求めているのかということを把握できます。それが今お客様が持っているニーズに即した的確な提案にもつながるでしょう。
傾聴のポイント。
ては、傾聴力を身につけるにはどうしてら良いのか、見ていきます。
① うなずきやあいづちで聞いていることを伝える。
② オウム返しをする。
③ 傾聴の第一歩は、日常の自己分析。
① うなずきやあいづちで聞いていることを伝える。
まずはあいづちやうなずきで、聞いていることを暗に明示しましょう。そういっ素振りが相手に「聞いてくれている」という安心感を与えます。
その他、楽しい話のときには楽しそうな表情を見せる、悲しい話のときには悲しい表情を見せるなど、表情を持って聴くことも良いです。
② オウム返しをする。
例えば
相手:「このドラマ、○○が面白かったんだよ!」
あなた:「○○が面白かったんだね。」
と相手の言葉をそのままオウム返しするのです。これだけでも、聞いてくれているという安心感につながります。
③ 傾聴の第一歩は、日常の自己分析。
傾聴は共感の第一歩となります。同調ではなく共感することを心掛けるためには、まずは自分に共感することです。
「あー、今自分はこんなことを感じているんだなー」と、あなたを第三者のあなたが見ているような感覚です。これについては、以下でもお伝えしています。以下も合わせてご覧ください。

いかがでしょうか?
信頼関係を構築する上で傾聴が当たり前であるのは、傾聴が相手を理解しようとする行為だからこそです。理解しようという気持ちがなければ信頼関係の構築には至りません。
傾聴のポイントは、上記の他にもありますが、中でも実践しやすいものを挙げました。傾聴は、面接やグループディスカッションにおいても必要なスキルですので、今のうちに身に着けておきましょう。