「〇〇業界!」と決めつける前に
前回は、早く成長したいという軸を持つ方向けにお伝えしました。あなたにとって成長とは何でしょうか?そんなことを考えるきっかけになればと感じます。詳細はこちらをご覧ください

さて、今回は、「絶対にこの業界!」という風に業界を絞っている方に向けてお伝えします。
それは、「なぜその業界でなければならないのか、絶対的な理由を明確に言えますか?」ということ。
なぜその業界でなければならないのか。
志望業界の動機、持っていますか?
「車が好きだから、自動車業界。」
「食品が好きだから、食品業界。」
「モノづくりが好きだから、IT業界。」
となっていませんか?せっかく志望業界に入れたとしても、その企業に合わないがために辞めてしまうという方も残念ながら多く見受けられます。入ってから「こんなはずでは・・・」と思う前に、しっかりとその業界に本当に入りたいのか、業界を絞る理由は何か、その企業で何を実現したいのか、調べておきましょう。
とはいえ、志望業界を狭めてしまうことで生まれるリスクがあります。そのリスクとは何か。考えてみましょう。
業界を絞った就職活動は、自分の首を絞める。
業界を絞り過ぎ、内定が得られなかったらどうなるでしょう?持ち駒がなくなり、就職浪人も考えられます。
実際に私は、就職活動の際に就職浪人はしなかったものの、ホテル業界や百貨店業界に絞ったことで、持ち駒がなくなった経験があります。
他にも私の教え子で、持ち駒がなく途方に暮れた方もいらっしゃいます。ここで目を背けずに知っておいてほしいのが、実際のところ入れないこともあるんだということです。
細かく120ほどの業界があるのに、他の業界を知りもしないまま、そして志望業界も何となく雰囲気やイメージでしか知らないのに絞る。
これって、視野が狭く非常にもったいないと感じませんか?思い込みが強いが故に可能性を自らつぶし、結果3年後合わないから辞めるというのは、なんとも腑に落ちないと私は感じます。
限定的な話しになりますが、「公務員」を志望する人も同じことが言えます。私はよく「公務員業界」と言います。なぜか。公務員と言っても色々な立ち位置や職種があるからです。国レベルで「行政」、「司法」、「立法」、地方レベルで「県庁職員」、「市町村職員」、「警察」、「消防」。もっと細かく分ければ本当に色々あります。その中で、「市役所にしか興味ない!」というのは、残念で仕方ありません。国の公務員がどのようなことをしているのか、市役所職員が何をしているのか詳しくは知らないにもかかわらず、市役所職員を志望するのは未知なる挑戦過ぎます。
思い込みは少し置いて、視野を広げてみるのもあなた自身のためになります。
業界を、視野を広げて見るためのポイント
① 「なぜその業界か」の視点を俯瞰して考える。
② 志望業界の特性を因数分解。
③ 志望業界の周辺に目を向ける。
「なぜその業界か」の視点を俯瞰して考える。
その業界を志望する理由を本音でなく建前で考えてください。本音でなくというのは、「好きだから」など、こういうのはやめてくださいということ。好きだからなどの理由しかない場合、どんなところが好きなのか深く考えることが大切です。
理由を考えたらその理由を俯瞰して考えることです。例えば、システムインテグレーション業界を志望し、その理由が「自分の提案により企業の経営に対する課題を解決し、日本経済に活力を持たせたいから。」というのであれば、別にシステムインテグレーションでなくても、コンサルティング業界や証券など金融業界でも良いでしょう。
あなたの考える志望理由を俯瞰して考えることで、他の業界にも当てはめることができます。
② 志望業界の特性を因数分解。
志望業界の特性を「誰に」「何を」「どのように」の3つの因数に分解して考えてみましょう。
システムインテグレーション業界であれば、「誰に」=「法人に」、「何を」=「無形サービスを」、「どのように」=「チームまたは個人で提案して」となります。こう考えると、コンサルティング業界も同様だと改めて、分かりますね。
③ 志望業界の周辺に目を向ける。
例えば、自動車業界。自動車業界は自動車メーカーを思い浮かべる人が多いですが、自動車業界にはサプライヤー、メーカー、ディーラーの三者がいます。サプライヤーといっても、素材、部品、組み立てがあります。また、ディーラーと一括りにしましたが、自動車金融業、自動車ディーラー、部品販売、補修整備、板金塗装、陸送業などあります。もっと幅広く見ると、鉄鋼、金属、ガラス、ゴム、半導体、コンピューターソフト、宣伝広告、ガソリンスタンドなどなど、本当に幅広く自動車に関わります。
業界の周辺を見てみると、業界の仕組みを知ることができますし、幅広く業界を見ることができます。
いかがでしょうか?
就職活動をするなら、仕事、業界、企業という3つの視点を持って、合うか合わないかを見極めるようにしましょう。
業界研究の大切さについては、以下にもまとめています。こちらもご覧下さい。



