就職活動における先入観は自分の道を狭める。
前回は記事の中で、この人と仕事をしたいと思える組織に就職したいなどと人で判断をするのであれば、人事や面接官を見てではなく、実際に職場見学をしてご自身の目で確かめることをお勧めしました。詳細はこちらをご覧ください。

さて今回は、先入観についてです。
先入観が就活にもたらす影響
最近は内定も出始めるなど、就職活動が活発化してきています。私も、面接指導や集団討論指導など就活対策が忙しくなって参りました。
そんななか感じることがあります。それが、先入観というもの。以前にもこの「先入観」について、面接で話す際の決めつけとしてお伝えしておりますが、今回は幅広い括りでお話ししていきます。以前の記事はこちらをご覧ください。

自己分析、ネタ出しにおける先入観
このネタは強い、あのネタは言っても良い言ってはダメなどと、あなたの中で先入観を持ってエピソードや強みを考えていませんか?
経験自体は強いも弱いも関係有りません。あなたが行ってきた経験のなかで、何をどのように主体的に実行したのか。その時の感情や学び、成長が大切なのです。経験については、こちらの記事もご覧ください。

ダイエットで30㎏も痩せた、ゼミナールの発表で人に強い印象を与えるためにマンガのキャラクターを使って説明した。そんなことで構わないんです。
体育会系の部活で、強面のOBに怒られないために、先輩に対しOBの特性を調査して、それを基にOBが何をしたら喜ぶかを常に考えて行動した。その結果、目をかけてもらえるようになった。これも、あなたが生きていく術を学んだ大事な経験でしょう。
あなたの中の当たり前を抽出して、その当たり前をあなたのオリジナルに落とし込んでいく。それが大切なのではないでしょうか。
そして、当たり前だと思っていたあなたの経験を、エントリーシートや面接でどのように伝えるか、あなたなりの魅せる伝え方を考えればよいのです。魅せる伝え方については、こちらも合わせてご覧ください。

「大学の学部で勉強したから、それに関連する仕事を。」というのも先入観です。大学で勉強したことと仕事の内容とは、研究職や専門職でない限り関わりが薄いためです。学ぶ上で自分に合う学問と、働く上で自分に合う仕事とは無関係ということです。
グループディスカッションにおける先入観
今回は、新たにグループディスカッションについても盛り込みます。
グループディスカッションの詳しいことは後日お伝えしますが、先入観という括りでのお話し。
例えば、こんなお題が出たとします。
「できる営業の条件は何か。」
あなたにとって、「できる営業」とは何でしょうか。お客様に好かれる人?契約件数が多い人?上司の意見を聞き実行できる人?話がうまい人?
おそらく、グループディスカッションのグループメンバーそれぞれによって定義は異なるでしょう。
自分は「お客様に好かれるのができる営業」だと思うから、そのための条件を洗い出そうと考えたとします。
では、その際に他の人はどう考えているのでしょうか?以心伝心で同じ事を考えているでしょうか?
もしかしたら、他の人は「話がうまい人ができる営業」だと思っていたならば、そこに話の齟齬が生まれ、噛み合わないディスカッションになるでしょう。
噛み合わないディスカッションにならないためにも、予め確認し、前提や目標の目線合わせをすることが大切ですよね。
先入観を持った就活は自分の首を絞めかねない。
上記のように、先入観をもつことは自分の考えが狭まりあなたの真に良い部分を見せられなくなるだけでなく、相手とのコミュニケーションの障壁にもなりかねないのです。
先入観を持つこと自体が悪いというわけではありません。先入観は、もうひとつの側面として個性を生み、それが信念となり自分の進むべき道を示してくれることもあります。
ただ、就活においては、業界知識の不足や選考における誤った解釈があなたの首を絞めることもあり得ます。
それは、あなたの将来を考えたときに正しいものとなるのか。それについては、あなたの納得感が大切になります。
先入観なくしっかりとした知識を経験として身に付けていれば、キャリアアップという意識で、自身のキャリアを紡げるでしょう。少なくとも失敗したという思いはなくなるはずです。
そのためにも、先入観にこだわることなく、インターネット調査はもちろん人に会う就活を心がけてください。前回の職場見学やOB訪問、説明会等々、人に会うことで先入観を払拭することが大いに可能となります。
人に会う就活のすゝめはこちらをご覧ください。

仕事における先入観は不協和音を生み、サービスの質を低下させる。
先入観は、仕事の質も低下させます。先入観を持つことでひとつの方向にしか目がいかず、可能性を潰してしまうことが考えられるのです。
「前に同じようなことで失敗したから、今回は止めておこう」というのでは、成長は見込めないでしょう。その逆に、「前にこれで成功したから今回も同じことをしよう」でも、やはり同じ結果しか得られず、大きな成長には繋がりません。
「元々やっていた方法が正しいから、自分はこうじゃなきゃ嫌だ!」という先入観は、一緒に仕事する仲間との間にも不協和音を生むことになります。
先入観は、今あるものや大切にしているものを壊さずリスクがないというメリットもありますが、成功するかもしれない企画や新たな顧客を逃すことも有り得るのです。それが、組織の為かと考えれば疑問です。
人間関係においても、もしあなたがアルバイト先で、別の人から「Aさんは自己中心的に行動する人で扱いづらい」と言われた場合、「自己中心的に行動して扱いづらい人」という目でAさんを見ることになったとします。
その先入観でAさんと距離を置くのはもったいないと感じませんか?もしかしたら、Aさんはあなたと馬が合い、てきぱき働いてくれてアルバイト先での仕事が捗ることも考えられます。
いかがでしょうか?
先入観は新たな経験を積むことで払拭できます。逆を言えば、新たに経験することがなければ、先入観を打破したその先にある何かを見つけることはできません。
先入観をもつことであなたの就活の幅が狭まり、将来ビジョンに悪影響を及ぼすくらいなら、先入観を捨てて就職活動をした方があなたの為になるはずです。自己分析においても面接やグループディスカッションなどの選考においても、先入観をなくしてみましょう。