公務員と民間の違いは利益追求ではない。
前回は、字面だけに惑わされない就活として動く就活をすることをお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

ぜひ、上辺だけの魅力に惑わされない業界、組織選択をしてください。魅力に惑わされないという点では、公務員という業界に対するイメージがまさにそれでしょう。
今回は公務員と民間の違いとして、最も代表的といえる「利益追求をしないこと」について、お伝えします。
公務員は、利益追求しないという嘘。
「公務員と民間の違いを教えてください。」
公務員はもちろん、社会貢献度の強い民間企業を志望する方は必ず聞かれる、この質問。よくある回答は、「利益を追求する、しない」という回答です。
元公務員講座の講師としては、この回答は落第点と言わざるを得ません。それはなぜか。
公務員も利益は追求する。
結論から言えば、税金こそが、公務員にとっての利益となります。
公務員という存在は、「税金」というお金を使って、住民であるあなたに暮らしに関わる様々な住民サービスを提供することになります。
この税金というのは、あなたもご存知の通り、あなたから徴収されるお金です。この税金がなければ、あなたにサービスを提供することができないのです。
そして、その役所で働く職員の給料もこの税金から賄われています。やはり税金がなければ職員に給料を払うことすらできません。職員に給料を払えなくなれば、住民サービスすらも適えられないでしょう。
以上のことからも、公務員は税金を確保することが最重要課題となります。
どの自治体も問題点として人口流出が挙げられます。流入が目立つのは東京都くらいでしょう。現に、東京都は国から地方交付税を交付されていません。
人口流出が激しいことから、人を住民または観光客として、呼び込み税金を増やすかということが、課題となるのです。もちろん税金を確保するためには企業を呼び込むことも必要でしょう。
このことは、民間の「利益を追求し増やす行為」と何が違うのでしょうか?何も変わらないように私は感じます。
公務員は利益追求をしないというのは、間違ったイメージであり、魅力とはいえません。
一般的なCSR活動は志望動機としては不十分。
CSR活動。これは、「企業の社会的責任」のことで、日本では本来の意味とは異なり、企業のボランティア活動や環境保護活動などを指しますね。
就活生の中には、このCSR活動を志望動機で話す方もいらっしゃいます。
ただし、日本独特の上記のような意味で使われるCSR活動を志望動機とするのは、志望動機としては不十分と言わざるを得ません。
なぜなら、CSR活動は本業とは異なるという認識を持ったビジネスマンが多いためです。それは、採用担当者や面接官もまた然りでしょう。
CSR活動はあくまで本業とは異なるサブ的活動という日本で根強い以上、本業に魅力を感じていない人を、採用したいとは思わないのです。
CSR活動は、志望動機に盛り込まないほうが良いでしょう。
余談ですが、
CSR活動の本来の意味合いは、企業が自分たちの利益を追求するだけでなく、組織としての活動が社会へ与える影響に責任を持つことをいいます。
企業を取り巻くその周辺にいる様々な利害関係者にとってプラスとなるような活動を指すのです。
つまり、納税や法令遵守はもちろん、安心安全な商品やサービスを提供することや従業員の労働環境の整備、周辺環境や地域課題への取り組みと、その言葉の指し示す意味は幅広いのです。
いかがでしょうか?
今回は、魅力というものに焦点を当て、公務員の誤ったイメージ、そして民間企業の社会貢献活動としてのCSR活動についてお伝えしました。
イメージだけで業種や職種を語ってはいけない典型的な例が公務員と言えます。
魅力を語るなら、上辺ではなく中身の魅力を探りましょう。