「自分目線の自己実現」は面接では聞き入れられない。
前回は、将来の夢を聞かれた際の受け答えについてお伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

将来の夢を実現したい。そんな想いを持っている方もいるかもしれません。この将来の夢。将来自分はこう在りたいと考えることを指しますね。
これを別の言葉でいうならば、自己実現と言い換えてもよいかも知れません。そして、自分は将来どう有りたいのかを考えよう!自己実現のために頑張ろう!と言われたこともあるかもしれません。今回はそんな「自己実現」という言葉についてお伝えします。
自己実現は自分勝手なものに過ぎない。
自己実現のために仕事をする。このように言われることが多くなっていますが、そもそも自己実現とは、身勝手なものなのです。
それはなぜか。
自己実現はそもそも自分目線。
自己実現したい。在りたい自分になりたい。こういった想いは、実は自分目線で、自己中心的であることに気付きますでしょうか?
就活生に多い自己実現が、前回にも挙げた「お金を稼ぎたい。」「マイホームを持ちたい」といったもの。
前回お伝えしたように、その組織での夢(自己実現)としては不適切ではあるのですが、それはさておいて。「将来の夢は?」と聞かれて、真っ先にこういったことを思い浮かべるのは至極当然でしょう。
人によっては「成長したい」「自分を高めたい」と考える人もいるかもしれません。
けれども、組織の立場に立ってみてください。あなたがマイホームを持とうがあなたの考える成長を実現しようが、正直どうでも良いのです。
なぜなら、組織として成長発展することに意味があるから。あなたがお金を稼ぐために雇っているのではありません。あなたに組織の成長に貢献してほしいから雇うのです。
自己実現は組織目線なくして語れない。
このことからも、大切なのは組織目線であるということです。採用者や面接官も、あなたが組織目線を持っているかということを評価ポイントとして見ているのです。
あなた自身が、仕事選びとして「成長したい」という想いや意欲を持つことは大切です。実際に業務に従事する上でもこの気持ちは大切でしょう。自分目線の自己実現があって当然と言えます。
ただし、あなたが組織に貢献できる人材となって初めて、自己実現は成し得るのです。
組織に貢献できる人材とは、
仕事の基本を覚える→お客様のために努力し、組織の利益増大に寄与する→組織があなたを評価し、給料アップや裁量が与えられ、中心的人物として権限を得ることで初めて言えるのです。
そして、こうなって初めて、あなたの自己実現は達成「できるようになる」といえます。
以上のことからも、自己実現を語るなら、前提には組織があるのだということを踏まえて語るようにしましょう。
組織目線の自己実現を考えるために。
上述のように、自分目線の自己実現はあって当然。就活生のあなたからすれば、それが出発点となって当たり前といえます。
では、どのようにしたら組織目線を持つことができるのか。
例えば、「お金を稼ぎたい」という自己実現があったとしたならば、まずはそれを具体化してみましょう。「稼ぐ」といっても、人それぞれ稼ぐレベル感は異なるからです。
何のために稼ぐのか、いつまでにいくら稼ぐ必要があるのか、具体的に考えましょう。具体化しておけばあなたの自己実現に説得力が増します。
自分の中で具体化したら、疑問が湧いてくるはずです。応募しようとしている目の前の組織だったら、いつまでに自分の思うような稼ぎができるようになるのだろう?どのような手段で稼げるのだろう?部長になれば実現できるかな?それとも経営者かな?
そんな疑問が湧いたら、それを説明会やOB訪問のときなどに質問すれば良いのです。「私は○○と考えているのですが、御社での年収モデルやキャリアプランモデルを教えてください。」みたいな感じで質問する。
そうすれば、自分の考えている道筋とその組織で実現可能な道筋の一致度合いが分かるでしょう。
そして聞いたことを元に、その組織で実現したいこととして自己実現を話せば良いのです。
例えば「お金を稼ぎたい」という自分目線の自己実現を、「御社で、いつまでにこのような道筋で○○の仕事をして、将来的には△△部の部長として貢献したいです。」としてみるとどうでしょうか?
お金を稼ぎたいという誰もが言いそうなものから、あなたなりの自己実現とその方法へと、差別化した話し方にすることができるでしょう。
いかがでしょうか?
自己実現は、組織ありきです。組織目線を身に着けるためにも、あなた自身に向き合うことはもちろん、説明会などの各種ツールを駆使して組織とあなたのすり合わせを行いましょう。
今回の話に出てきた、具体化については、「なぜを深める」として、以下でお伝えしています。合わせてご覧ください。

また、実現したいこととして、以下も合わせてご覧下さい。
