やりたいことがない君へ。
前回は、就職活動で求められるコミュニケーション能力について、お伝えしました。詳細はこちらをご覧ください。

最近、インターンシップフェアの開催が目立ってきていますね。至る所で開催されています。就職活動をするにあたり、そういったものに参加するのも一つ、大切なことです。徐々に就職活動が本格化している証拠ですね。本格化し就職先を探すうえで、大切になるのがやりたい事探し。ここで二手に分かれます。やりたいことが見つかる人と、やりたいことが見つからない人。そこで、今回は、やりたいことが見つからない、または見つけるためにはどうしたらよいかを考えている人向けに、書いています。
やりたい事は無理に探すものではない。
私がこれまで見てきた就活生の中にも、やりたい事が見つからないという方は大勢いました。そして、私自身も就活生の時、バンド以外にやりたい事はありませんでした。就職支援に携わりたい、キャリアのプロになりたいそう思ったのは公務員講座予備校の講師として転職してからです。
やりたい事を見つけようとする必要は一切ありません。では、やりたい事がない人が就職活動を成功させるためには何をどのように考えればよいか。まずは、多くの就活生を見てきて、やりたい事が見つからない人の特徴が見えてきたので、それについて確認してみましょう。
やりたい事が見つからない人の特徴
① 自分に制限をかけている。
② 大きく考えないといけないと思っている。
③ やりたいことを一つに絞ろうとする。
④ やりたい事を本気で見つけようとしていない。
① 自分に制限をかけている。
「人生こんなものだ。」「自分にできるはずがない。」など制限をかけていませんか?そのように制限をかけてしまうことで、行動範囲や考える範囲が狭まり、視野が狭くなれば将来の選択肢も狭まります。
自ら壁を作ってしまうことで、狭い範囲内でしか考えられず、やりたいことが不明確になるということがあり得ます。
そして、自分に制限をかけている人は、自信のない人が多いです。自信がないからできない、やれないと制限をかけ、益々自信を失くしてしまう。負のスパイラルです。制限をかける必要は一切ありません。制限をかけずにトライしてみることをお勧めします。
② 大きく考えないといけないと思っている。
よくドラマで大きな夢を語る主人公などがいたりしますよね。「医学の発展に尽力し、一つでも多くの命を救うんだ!」みたいな。大きい夢ですね。こういうのをやりたい事と言うんだと思っていませんか?確かにこういう大きな夢を持つことは素晴らしいことです。ただ、これほどまでの大きく果てしない夢でなくても、目の前にある小さな夢でも構いません。こういった大きな夢は、小さな夢を実現しその積み重ねで大きくなっていくものです。今目の前にある小さな夢をかなえるためにどうしたらよいかを考えてみることをお勧めします。
③ やりたい事を一つに絞ろうとする。
やりたい事は一つじゃないといけないと思っていませんか?正直なところ、環境、社会情勢、置かれている状況により、やりたい事は変化します。ということは、端から一つに絞る必要は一切ありません。複数持っていて構いません。
④ やりたい事を本気で見つけようとしていない。
「やりたい事を探すために、何とかしなきゃ。」そう思いながら、何も行動できていないということにはなっていませんか?やりたい事を探すために今日は何をしましたか?何もできていないのであれば、本気で見つけようとしていないのかもしれません。
とりあえず日々流されて生きているのであれば、どんなことでも構いませんので、やってみましょう。先輩の話を聞いてみたり、OB訪問してみたり、説明会に参加してみたり。いろいろと試してみてください。人と関わってみることを一つお勧めします。
やりたい事を掘り下げるために
では、やりたいことはどうやったら見つかるのでしょう?私は偶然に見つかると考えています。やりたい事はこれだ!と初めから分かっている人は、ほとんどいません。実はひょっとしたことから見つけることが大半です。そのため、まずはその「偶然に出会える機会」を創出することを意識しましょう。では、やりたい事を見つけるための方法をいくつかご紹介します。
① 好きなことを見つける。
② 自分の欲求を満たすものを探す。
③ やりたくない事探しをする。
④ 何でもよいからやってみる。
① 好きなことを見つける。
好きなことや趣味を仕事にする人も中にはいるでしょう。それも、一つの答えです。好きなことを仕事にすることについて言及している記事がありますので、そちらもご覧ください。

この記事でも話をしているように、好きなこと=趣味、特技と直結するわけではありません。自分に動機付けを与え、自分を後押しできるものが「好き」の正体です。それを見つけることが、納得のいく就職活動になる第一歩となるのではないかと考えています。
② 自分の欲求を満たすものを探す。
先ほど、大きく考える必要はないとお伝えしました。そして、やりたい事は変化します。実は、やりたいことは小さな欲求から生まれます。「好きな物を好きなだけ食べたい。」とか「ずっと歌っていたい。」とか(あ、これ全部私の欲求です。。。)。実は人は大きいものから小さいものまで、大小さまざまな欲求を抱えています。その欲求を満たす手段が「やりたい事」です。「この欲求を満たすためにやりたい。」となるわけです。
そのため、まずはどのような欲求があるか、自由に考えてみてください。制限をかけることなく、自由に考えます。大きなものから小さなものまで幅広く、視野を広げて考えましょう。
幼い頃は、「サッカー選手になりたい」「アイドルになりたい」「宇宙飛行士になりたい」と自由に発想を広げたはずです。でも大人になるにつれ現実を知り、それに伴い視野が狭まり壁を作っていった。けれども、就職活動が始まりまた幼い頃と同様に、いやそれよりも狭い視野で「やりたいことは何か」を考えなければならない。自ら作ってしまった壁があるがゆえにその枠内で考え直そうとする。それでは、やりたいことが見つかるはずがありません。
一度、壁を取っ払って、欲求ややりたい事を掘り下げてみてください。
③ やりたくない事探しをする。
やりたくない事ならすぐに浮かぶという人もいるかもしれません。友達や恋人と食事に行くとします。食事の時間になったとき、こんな会話になったことはありませんか?
あなた:「何食べる?」
友人 :「別に何でもよいよー。」
あなた:「じゃあカレー食べに行こうよー。」
友人 :「んー、カレーって気分じゃないんだよね。」
っておい!それ、何でも良くないだろ!となりますよね。食べたい物はすぐに思い浮かばなくても食べたくない物はある。これと同じで、やりたいことはすぐ見つからなくてもやりたくないことは見つかりやすいです。
価値観に基づいて、仕事に関することの中で、やりたくないことを考えてみてください。「カレーは食べたくない。」とかそういうことは考える必要がなく、「ずっと座ってパソコンとにらめっこするような仕事はしたくない。」などです。やりたくないことを列挙し、それとは逆の事を考えてみると、やりたい事が見えてくるかもしれません。
④ 何でもよいからやってみる。
興味が持てることを手当たり次第に探すのであれば、これが一番有効です。とりあえず「やってみる」こと。やってみれば、自分にとって合うか合わないか、違うかどうかが分かります。
そして、成功体験を作りましょう。成功体験を作るまで続けることです。成功が生まれると自信になり、続けていきたいという新たな欲求を生み出します。成功するまでの間、失敗することがあれば、逃げるよりもその失敗をどう乗り越えるかを考えてみるとよいです。
失敗すると、新しいことを経験しても、どうせまた失敗するという強迫観念にかられ、新しいことに手を伸ばすことができなくなる。「どうせ無理」が積み重なって経験を恐れると、やりたい事を考える選択肢すらも狭まってしまいます。そのため、成功するまでは続けてみる。トライ&エラーで得た成功は次の行動を生み、やりたい事への視野を広げるきっかけにもなります。
いかがでしょうか?
やりたい事。難しく考えてしまうのは、あなたがこれまでに身に付けた常識が枷になっていることも考えられます。だからといって、今から宇宙飛行士になれるかというと難しいですが、自分に制限をかけずに、今持っている欲求はなにか、その欲求を満たすためにはどうしたら良いか、考えてみると良いのかもしれません。インターンシップ、OB訪問、説明会。様々なツールを使って、あなたの今もつ欲求を満たす手段を考えてみてください。